子育てに役立つ知識 「能力が劣っているわけではない! 」 NPO日本次世代育成支援協会
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「能力が劣っているわけではない!」
受験生を持つ親はハラハラドキドキですよね。
僕のところにも相談が山ほど来ますが、もう少し早ければ何とかなったのに、というケースが結構あるんですよね。
天才教育心理学者ピアジェの言を持ち出すまでもなく、『能力が劣るのではなく、教えられ方がマッチしなかったから、その学問が理解出来ない』という子どもが如何に多いか…。
例えば、最初の頃は算数が出来たのに、段々と失速していく女の子は結構多いんですね。
これは、その子が算数や物理系の理科を『記憶力』でこなしていっている事に問題が有るんです。
根本をしっかり理解しないまま、記憶力でパターンとして問題を覚え、パターンに合った解答を記憶から引っ張り出して対応していく為、パターンがどんどん増えたりちょっと設問をひねられたりすると、そこでお手上げになっちゃうんですね。
例えば、『躓き』でよく有る話では『分数での割り算』です。
6÷1/3= という設問で、いきなり先生から
『分数で割る時は分母と分子をさかさまにして、× に変える』
と教わる場合が有るそうです。
6×3/1(つまり3)=18 と変えれば良い というワケですね。
確かにその通りですが、これを深く考えずに、単に『記憶だけして、先に進んでいく』場合に、【後に失速する子】が生まれていきます。
ちょっと、割り算を図で考えてみましょうか。
6個のマスが有ります。
さて、6÷2は?
『2で分ける』という考え方が有ります。
その場合は真中の横線で分ければわかり易いですよね。
そうすると、真ん中の横線の上と下には3つずつの四角があるということから、6を2で割れば答えは3となります。
ところがこの図を見ていると、もう一つ答えが出てくる考え方が有ります。
『6の中に2が幾つあるか?』
実はこれでも答えが出てくるんですね。
この場合は、縦2つずつの組が3つあるから、これも答えは3となります。
さて、では6÷1/3は?
『3分の1で分ける』
この考えが難しいんです。
実生活では『3分の1で分ける』ことが無いのですから。
では『6の中に1/3が幾つあるか?』
これはわかりますよね。
上の絵の中にの上段左側のマスに1/3の大きさを作ったのが下図です。
この大きさ、つまり1/3のマスは6の中に18個有りますよね。
そして答えは18です。
ここまで子どもと一緒にやると、その子は『分数での割り算』をキチッとイメージできるようになります。
この場合で言うと、「1」よりも小さい数で割ると、答えはかえって大きくなるんだ ということがイメージできるワケです。
また、一緒に考えることによって『わからない事はそのままにせずに聞く』という大事さも知ります。
そして、『頭の中で考えるとアヤフヤになることでも、図にしてみると、きちっとイメージできる』ことも学びます。
このような方法で学んだ子は、『分数で割る時は分母と分子をさかさまにして、× に変えるんだよ』とだけ言われて、それを丸覚えしただけの子とは、将来において雲泥の差の【素晴らしい能力】を持つんですね。
この話はとっても長くなってしまうので、ここで終わりますが、子どもがテストで悪い点を取った時は思い出してください。
『能力が劣るのではなく、教えられ方がマッチしなかったから、その学問が理解出来ない』という事を…。
