head_img

「子どものうつ病」

昔は『子どもは鬱にならない』などと言われていましたが、最近はかなり増えているようですね。
もっとも、子どものうつ病は、大人よりも表面化しにくく、周囲も気付かない場合が多いので、発見率が上がってきたのかもしれませんが。

ちょっと前になりますが、北海道大学による約2万人の小中学生に対する調査では、小学生1.6%、中学生4.6% トータルで2.6%がうつ病と推定されています。(傳田健三博士)
また、北海道大学の研究チームの小中学生3300人を対象とした調査では、小学生の8%、中学生の23%に抑うつ症状が確認されました。

子どものうつ病の研究が進んでいるアメリカのデータでは、少し古いのですが1998年で300~600万人の子供がうつ状態と想定されています。
そして毎年2000人の子供が自殺しているのです。
アーカイブス・オブ・ジェネラル・サイカイアトリーに掲載された全米保健統計センターの研究報告では、躁うつ病だと診断される米国の子供の数が、1994年から2003年までの10年間に40倍の80万人に急増したことがわかりました。

こうしてかなりの数のこども達が、うつ病またはその予備軍として苦しんでいるのですが、意外と親や教師がその事実に気付いていないことも多いのです。

私たち(NPO日本次世代育成支援協会)が行っている、《子ども達対象の無料メール・カウンセリング》には、沢山の相談が寄せられますが、うつ病を疑われる子供達の殆どは、親や先生に症状を相談していないのです。

抑うつ症状があるのに、何も手を打たないでいると『うつ病』に移行してしまう場合も多く、またうつ病は『くせ』になってしまうこともよくあるので、注意と早めの対策が大事ですね。


小児うつ病の診断基準として、A・ワインバーグらは次のような項目を挙げています。

・子どもが不幸な気分と自己を過小評価する傾向の両方。
・次のうちの2つ以上の症状
 1 攻撃的行動
 2 睡眠障害
 3 人と交わることへの欲求の減少
 4 学校への態度の変化
 5 学業成績の低下
 6 身体的な訴え
 7 いつもの活気の消失
 8 異常な食欲あるいは体重の変化

また、これらの症状はいつもと違っていて、少なくとも1カ月以上続いていなくてはならない。(出典 子どものうつ病 D・マックニュー他)


さて、子どもがうつ状態になる原因について考えてみましょう。

まず、考えられるのは【何かを失う】ことでしょう。
ここでパッと頭に浮かぶのは『親の離婚』です。

もちろんこれは、子どもにとってとても大きな出来事でしょう。
でも、だからと言ってすぐに母子家庭や父子家庭の方々が落ち込む必要は有りません。
ここに大変すぐれた論文が有ります。

京都教育大学紀要 No110-2007
「家族関係と児童の抑うつ・不安感に関する研究
-子どもの認知する家族関係」内田利弘・藤森崇志著より一部抜粋

「今回の調査においては、父子・母子家庭に特有とされるような抑うつ・不 安の高さは見られなかった。
それどころか、抑うつ得点に関しては両親がいる家庭の、非バランス群よりも低い結果が得られた。
調査に使用した尺度による影響も考えられるが、父子・母子家庭の子どもの精神的健康性ひいては強さが示されたように考える。
抑うつ状態に関しては、子どもが自分の中に父母の別離を消化できていなければ、抑うつ状態を誘因することも考えられるが、今回の調査においては子どもの中に現在の親子関係が強く内在化していることから、抑うつへの耐性があるのではないかということが推察される」

つまり、離婚してもその後の流れさえうまく整えれば、子どもはうつ病になるどころか、かえって耐性を付けて精神的健康性や強さを身につけるということなんですね。


では、他に【何かを失う】と言えば…。

愛するものの死、というのがありますね。
肉親、親しい友人、ペット、いろいろ有ります。

他にも『モノ』が考えられます。
例えば、長年住んだ家がそうです。
引越しでうつになってしまう女性は意外と多いのですが、子どもも同じです。

『習慣』というのも有ります。
今迄、お母さんが一緒に寝てくれていたのに、或る日突然一人で寝ることを強要されてしまい、うつ状態になる子どもは以外と多いんです。

『プライド』を失い、うつ状態になる子どももいます。
甘やかされて、褒められまくってきた子どもが、或る日突然学校や社会で見くびられたり不必要な扱いを受ける、または期待に応えることができなかったりすると、うつ状態になってしまう場合があります。
(これと似た例ですが、親や先生の期待が大きすぎる場合も、うつ状態に陥ってしまう場合もあります)

中には、実はその子はアスペルガー症候群や、AD/HDであったりして、その為に周囲とうまくコミュニケーションが取れずにうつになってしまったというケースもあります。

また中学生や高校生では、友人との人間関係がうまくいかず、うつになる場合も多く見られます。

他にもいろいろと有るとは思いますが、とりあえず原因探しはこの辺にして、対処方法に移りましょう。

どうすればよいのか。

これはやはり、周囲の『話を聴き、理解をすること』が一番大事です。
また、子どもに対しても認知療法や論理療法は効果があります。
家族療法(短期療法)も試してみる価値有りです。

まずは医療機関や信頼できるカウンセラーに相談してみましょう。


また、うつ状態になりやすい子どもは、やはり親もうつになりやすい思考の枠組みを持っている場合が多いようです。
一度、下記のページで親もチェックしてみるとよいでしょう。
≪ベック博士のうつ病自己評価尺度≫
ちなみに、そのページで『うつになりやすい』結果が出た人は、下記ページを参考にしてください。
≪うつ、不安症になりやすい人の思考パターン≫





Copyright(c)2012 NPO日本次世代育成支援協会
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

この内容はNPO日本次世代育成支援協会の鷲津が、愛知大学OCでの講義の内容を元に書いております。
著作権はNPO日本次世代育成支援協会にあります。

カウンセリングのご相談は、ベルコスモ・カウンセリングまでどうぞ。
遠方の方には電話カウンセリングも行っております。
愛知県一宮市本町2-3-2 イトカンビル4F 0586-23-5575
belcosmo@jade.dti.ne.jp
参照⇒http://bellcosmo.net/service.html



♪楽しく、役に立つ心理学やカウンセリング理論を学びませんか?

毎週火曜日(午後、夜間)に名古屋で、月曜の(午後、夜間)夜間に一宮で、『心理カウンセラー講座』を開いています。
毎月1回土曜に、集中講座(12回完結)も始めました。

詳しくはコチラ→ http://npo-jisedai.org/kouza.htm

=======================================================
NPO日本次世代育成支援協会では、
☆ 講演(主にコミュニケーションについて) ☆ 講師 ☆ 心理カウンセリング ☆ お子様の進路指導・教育相談
を行っております。
http://npo-jisedai.org


アクセスカウンター


ページトップに戻る