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子育てや家族問題に役立つお話 【キレやすい子と認知療法】

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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その54
キレやすい子と認知療法
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


最近の子どもはキレやすいという話をよく聞くのですが、今日はこれについてお話いただけますか?
「はい。確かにそういう気がします。ただこれはいろいろな要因があると思うんですね。まず、第一に考えられるのは、少子化という事もあるのでしょうが、親が子どもの気持ちを先取りすることが多いと、子どもは自分の気持ちをうまく表現できなくても家庭内では通っちゃうんですね。
ところが一歩外へ出ると、人は自分の気持ちを察してくれない」

------なるほど。それで自分の気持ちをわかってもらえないからキレてしまう、と…。

「そういう事ですね。また、これも少子化ということもあり、家庭内で我慢することが減り、我慢するとか辛抱するとか待つということへの耐性が落ちていることも挙げられます」

------そうですよね。
でもそうやって考えると、『自分勝手』と一言で片付けてしまいがちですけど、キレやすくなってしまう要因はいろいろとありそうですね。

「そうなんです。他にもAD/HD自閉症スペクトラム(アスペルガー)の子どもは、その特性上キレやすいですよね。そして教育現場ではそういう発達障害の子どもや、それに親和性を持つ子どもが実感として増えているという声が多いのも事実です」

------という事は、対処法もいろいろになってしまうということですか?

「そうですね。ただ、あまり広げすぎてもわかりにくくなりますので、ここでは認知行動療法の考え方をご紹介しますね」

------認知行動療法と言えば鷲津先生がカウンセリングで行っている療法ですよね。

「そうです。これは子どもにも有効なんですよ。もちろんお母さんやお父さんにもとっても役に立つものなんですけどね。
では、まずはキレやすい子どもに対して、その子どもの認知の枠組み、これをスキーマというんですが、これについて考えてみましょう。これは、このケースで言うと、『人が自分をキレさせるのではなく、自分の考え方が自分をキレさせている』っていうことなんです」

------そこのところをもう少し詳しく説明していただけますか?

「人や出来事が自分を怒らせるのではなく、自分の心の枠組みが自分を怒らせているという例をお話しますね。
例えば電車に乗っていて、その電車が揺れた時に近くの女性がよろけて、人の足を踏んだとしますね。しかもその女性はハイヒールのとんがった靴を履いていたとします」

------うわ~。

「さあ、そこで踏まれた人はどう思うか、ということなんです」

------そりゃ、怒りが生じるでしょう。

「そこなんですよ。一般的には、『踏まれた(出来事)』→『怒り(感情)』という流れを、当たり前だと思いますよね。ところが認知療法だと違うんです。
『踏まれた(出来事)』→『揺れても人に迷惑をかけない為に、つり革などに捕まっているべきだ(考え方、心の枠組み)』→『怒り(感情)』と考えるんです」

------ああ、そういう考え方があるから、怒りが発生したと…。

「そういうことです。では、そうじゃなくて『僕の存在は誰からも大事にされない』という心の枠組みがあったらどうなるでしょう?」

------『踏まれた(出来事)』→『僕の存在は誰からも大事にされない(考え方、心の枠組み)』ってことですよね。
そしたら、『悲しみ』とか?
あ、『怒り』じゃなくなるんだ。

「そのとおり。おわかりいただけましたか? 認知(考え方)の枠組みによって、感情は変わってくるんですよ。中には『怒り』や『悲しみ』ではなく、『もっとハイヒールで踏んで m(_ _)m』 となるかもしれませんし…(笑)」

------その枠組みは勘弁してください。(笑)

「子どもだって一緒なんです。先生が自分の期待通りにかまってくれなかったとして、『かまってくれない(出来事)』→『先生は親のようであるべきだ(枠組み)』となると『怒り』が生じるでしょう。
でも、『かまってくれない(出来事)』→『先生は親のようであってほしいが親ではない。また例え親でも、子どもが40人近くもいたら、そんなにかまってくれないだろう(枠組み)』となれば…」

------なるほど! 確かに、怒りはそんなには出て来ないかもしれませんね。
このお話はもう少しお聞きしたいので、次回も宜しいですか?

「はい。わかりました」


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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その55
【続・キレやすい子と認知療法
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前回は認知行動療法のお話だったのですが、今回もその続きということで宜しいでしょうか。

「はい。前回は『感情というのは、その人の【認知の枠組み】によって生まれる』というお話をしました。ところでこの枠組みの中で、『怒り』に密接に関係しているものがあります。それが、僕がよくお話する【完全主義】と【~べき主義】なんですね」

------その2つが、怒りを生みやすいというわけですね。

「そういうことです。親がこの2つの枠組みを持っていると、子どもに対してついつい『完全を目指せ』とか『~であるべき』というメッセージを出しがちなんです。そして子どもはその命令を自分の中に取り込んでしまいます」

------ということは、自分に対して『完全を目指せ』とか『~であるべき』という命令を、自分が出し続けることになりますね。

「はい。そして子どもはその取り込んだメッセージに沿うように頑張ります。でも『完全』なんて無理なんですよね。ここの所が問題なんです。
例えば我々はよく『頑張れ!』って声をかけますよね。これを英語にすると『Do your best』となります。でもね、『Do your best』っていうのは本当はBESTを尽くしたら、そこで褒められて終わりなんですよ。ところが我々が言う『頑張れ!』っていうのは終わりが無い場合が結構あるんですね」

------そう言われるとそうかもしれません。
80点を取ったら90点を目指せ、90点を取ったら100点…。

「そして 100点を取ったら『それを維持し続けて、今度は他の教科もその調子で頑張りなさい!』って…(笑)」

------確かにきりがありませんね。

「完全を目指すとそうなっちゃうんですよね。そこへ持ってきて『楽をすべきではない』とか、『~べき主義』まで入っちゃうと、これはどこかで無理が出て当然です」

------だからキレちゃうわけですね。

「そうなんです。だから『ちゃんとしなさい!』なんて言い方は、実際のところ、あまりよくないんですよ。どこまでどう頑張ったらいいのかわからない。
また、頑張ってやったのに、『ちゃんとしなさいって言ったでしょ!』なんて言われた日には…」
------もうキレるしかないですね。(笑)

「ジャンケンの後出しみたいなもんですからね、『ちゃんとしなさい』とか、『ちゃんとやった?』という言葉は(笑)」

------なるほど。
だから【具体的】に言わないとダメなんですね。

「そうですね。この【完全主義】と【~べき主義】が強いと、その家は『怒り』が支配します。もしそうだったら、是非緩めていただきたいですね」




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この内容はNPOハート・コンシャスの玉田とNPO日本次世代育成支援協会の鷲津が、愛知大学OCでの講義の内容を元に書いております。
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