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【アドラー心理学の子育て法】



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その63
【アドラー心理学の子育て法】
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今回も鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


最近、子育てセミナーなどでアドラー心理学ってよく聞くんですけど。

「アドラー心理学というのは、確かに子育てにマッチする理論ですね。『横の関係』を大事にするっていう考え方なんですけど」

------『横の関係』と言いますと?

「例えば、仕事で言うと『縦の関係』が多いですよね。指示とか命令とか、上司と部下の関係っていうとイメージしやすいかな?」

------なるほど。
じゃあ『横の関係』っていうのは友達とかってことですか?

「まぁ大雑把に言うと、そういうことになります。でも、実際には友達同士でも微妙に『縦の関係』だったりしますけどね。ところで、親子関係とか、先生と生徒の関係は何だと思います?」

------そりゃ、『縦の関係』でしょう。

「ですよね。ところがアドラー派の人は、それも『横の関係』で行こうってことなんですよ。何も『縦の関係』じゃなくてもいいでしょってことなんですね」

------なるほど。でもそうなると、指示や命令はどうなるんですか?

「上から下へではなく、『横の関係』で『お願い』すればいい、ということですね」

------え~っ! 先生が生徒に、親が子どもに『お願い』するんですか?

「そういうことです。『宿題をやってくださいね』とか…」

------でも、それで宿題を子どもがやらなかったらどうするんですか?

「その時は、『お願い』の仕方が悪かったと考えるんですよ」

------う~~ん。 なんか『叱る』より『褒めろ』っていう話と似ていますね。
難しそう…。

「そうですよね。ただ、この『横の関係』っていう考え方を知っていると確かにいいんじゃないかなと思うんですよ。
これは僕がよく思うことなんですけど、例えば子どもがゲームで遊んでばかりいるって厳しく怒る親をよく見かけるんですよね。子どもに『意志が弱い!』って怒っているんです。
でもね、僕は自分が子どもの頃に今みたいなゲームが有ったら、果たしてピタッとやめられるかというと、難しいんじゃないかな」

------なるほど。
自分の子どもの頃と比較するってことですか。

「そういうことです。環境も条件も違っているのに、ただ単に叱るっていうのは、あんまりフェアじゃない気がするんですよね」

------そう言われるとそうですね。
上から押さえつけるようにモノを言ってばかりじゃ、子どもの心も離れていっちゃいますよね。

「そうなんです。もちろん、いつも『横の関係』でいるっていうのは難しいでしょうけど、逆にいつも『縦の関係』だと、ひょっとしたら開く花も開かないかもしれませんし…」

------上手に『お願い』ができるようになれるといいですね。(笑) ところで、あるアドラー心理学のセミナーで、『褒めてはいけない。勇気付けが大事だ』って聞いたんですけど、そこのところを少しお話しいただけますか?

「エンカレッジメントのことですね。それはこういう事です。まずは考え方の枠組みの話から入っていきましょうか。
例えば学校の成績重視で音楽には関心の無いお母さんがいたとしますね。そしてそのお子さんが、勉強をやらずに太鼓ばかり叩いていたとします。この場合、お子さんが太鼓が上手くなったとして、お母さんは『褒める』でしょうか」

------褒めないでしょうね。かえって『そんな暇が有ったら勉強しなさい』って叱るかも。(笑)

「そうなんですよね。実は『褒める』というのは、相手が自分の枠組みで期待することに応えた時するものなんです。つまり、上から下への【縦の関係】の時によく行われることなんですよ」

------なるほど。だから自分の考え方の枠組みに添わない『太鼓が上手』であることに対しては褒めないわけですね。

「そういうことです。褒められるとちょっと嫌な顔をする子は、無意識の内にそれに気付いている場合が多いんです。だから、何でもかんでも褒めればいいっていうもんじゃないんですよね」

------なるほど。
じゃあ『勇気付け』というのは?

「わかりやすく言うと、【横の関係】の『褒める』ということです。別に太鼓に興味がなくても、『上手に叩けてすごいなぁ!』というのがそれに当たりますね」

------あ、鷲津先生がよく仰る『感心することが大事』というのは、ここにあるんですね。

「そうなんです。言われた方が思わずうれしくなる、なんかもっとやる気が湧いてくる、自信を持っちゃう、そういうプラスのストローク、つまり人間関係の刺激がアドラーの言うところの『勇気付け』なんですね。僕はもっとわかりやすく『感心する』って言っていますが」

------よ~くわかりました。
でも、この場合で言うと、もっと太鼓ばかり叩いて勉強を益々やらなくなりませんか?

「太鼓は太鼓、勉強は勉強です。太鼓が上手になったのは『感心』して『やればできる』という自信を持ってもらい、勉強は勉強でどうやって面白く感じられるように工夫すればいいんじゃないですか。好きな太鼓をやめさせたら、勉強にやる気出して頑張るとは僕には思えませんが。もっともバランスには気を配る必要はありますけどね。(笑)」




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