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~ディスレクシア(学習障害)


まずは、ディスレクシアの定義について書きますね。

これは1994年に、アメリカのオートン・ディスレクシア協会(現IDA、
国際ディスレクシア協会)が示したものです。


ディスレクシアはいくつかの明らかな学習障害の1つである。
言語を基盤とする生得性の特異的障害で、文字単語の音声化の困難を特徴
とし、通常は音韻処理能力の不足が背景にある。
こうした文字単語の音声化の困難さは、年齢や他の認知能力から予測され
る範囲を超えていることが多く、またそれらは、一般的な発達障害や(目
や耳の)感覚障害からくるものではない。
ディスレクシアでは言語形態の違いに応じてさまざまな困難があらわれ、
読みの問題の他にも、書きや綴りの習熟に明らかな問題が見られる。

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わかりやすく言うと、学習障害のうち読み書きが超不得意というタイプと
いうことです。
日本では人口の5%、欧米では10~20%がそうではないかと言われていま
す。

知的能力はまったく問題がないのに、簡単な文章が読めなかったり、字や
綴りを間違えたりするので、親や先生から不注意だとかいい加減だとか怒
られ続けて、自尊感情を持てずに悪循環に陥ってしまうケースがよくある
『本人の責任ではないのに、辛い思いをしてしまう発達障害』ですね。

特徴としては
・文字を覚えられない (しかし語彙知識は豊富な場合も多い)
・色や形の名前がわからない
・言葉を思い出せず、別の語彙を使いまわしたりする
・本を読む時、字や行を飛ばしたり、勝手な解釈をする
・左右反対の字を書く
・言葉の順序を間違える(ディズニーをデイニーズと言う等)
・板書をノートに書ききれない
・暗算が苦手
・文章問題になると急にできなくなる
・本など、文字が書いてあるものに対する回避行動
などがあります。

また、読み書きの支障だけではなく、ディスレクシアの特徴として、しば
しば短期記憶の障害が挙げられます。
ある実験では、聞いた言葉を思い出して言う課題で、記憶を保持できるの
がたった4秒だったという結果も報告されています。(Hulme 他)

自宅の電話番号を覚えなかったアインシュタインの例はちょっと特別かも
しれませんが、ディスレクシアは無意味な綴りは特に覚えられないという
傾向があるので、語呂合わせができない電話番号を覚えるのが苦手という
人も多いようです。
また、名前を覚えられないとか名前と顔が結びつかないというケースも、
多く見られます。

ディスレクシアの子どもは、情報の取捨選択が苦手なのですが、情報のカ
テゴリー化が不得手ということも言われています。
例えば、虹は我々日本人は7色に見える場合が多いのですが、英語圏では
6色で表現されています。(ちなみにジンバブエのショナ語では3色、カ
メルーンのバサ語ではなんと2色で表現されているそうです。
この虹の色を、ディスレクシアの子どもは100色以上で見ているような
ものとして考えていただけるといいかもしれません。

また、感情の動きが激しいディスレクシア児もよく見かけられます。
うまくいかない事が多いので、何か嫌なことがあると、より深い悲しみに
陥ってしまうんですね。
しかも不安や恐れを上手に表現できない為、感情が過激な行動で表される
場合もあります。
こうして不安や怒りを処理できないまま貯めていき、不適応行動に繋がり
、そして周囲から嫌われてしまうというケースも少なくありません。
こうなると益々、自分は劣った人間であるとか、存在してはいけない人間
というディスカウントの悪循環となってしまいます。


さて、ここで1つの大きな問題があります。
ディスレクシアというのは、発達上の問題であって、時間が経つうちにそ
の遅れを取り戻せるものなのか、それともずっとそのままなのかという事
ですね。
一時的な発達上の遅れなら、あまり心配せずにじっくりと取り戻せばいい
のですが、もしそうでなければ早期発見と早期の対策が重要となりますか
ら。

この問題に関しては、今のところ一時的なものではなく、ずっとそのまま
、つまり解決しないという研究結果が多く発表されています。(コネチカ
ット縦断研究他)
ディスレクシアは脳の中にある、例えば『単語分析』とか『文字を音に変
換する』部分が不活性なんですね。(左脳後部の読字神経回路が活性化し
ない等。)
だから、問題はいつまでも続いてしまうということなのです。
ただ、だからといって諦めてしまう必要はありません。
【学習】することにより、それらのデメリットをカバーすることは可能な
のです。


対応策としては、テキストを音声で読み上げるコンピューターソフトを使
う等、視覚だけではなく他の感覚器官も使っう方法が有効な場合が多いの
ですが、本人や関係者が個々の能力や状況を踏まえ、対応機関や親の会に
相談したりして、個性に合った行動プログラムを考えていくことが大事で
す。


参考資料
    
「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する
全国実態調査」文科省 (学校の先生から見た判断基準です。)

<「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」> 

・聞き間違いがある(「知った」を「行った」と聞き間違える) 
・聞きもらしがある 
・個別に言われると聞き取れるが、集団場面では難しい 
・指示の理解が難しい 
・話し合いが難しい(話し合いの流れが理解できず,ついていけない) 
・適切な速さで話すことが難しい(たどたどしく話す。とても早口である) 
・ことばにつまったりする 
・単語を羅列したり、短い文で内容的に乏しい話をする 
・思いつくままに話すなど、筋道の通った話をするのが難しい 
・内容をわかりやすく伝えることが難しい 
・初めて出てきた語や、普段あまり使わない語などを読み間違える 
・文中の語句や行を抜かしたり、または繰り返し読んだりする 
・音読が遅い 
・勝手読みがある(「いきました」を「いました」と読む) 
・文章の要点を正しく読みとることが難しい 
・読みにくい字を書く(字の形や大きさが整っていない。まっすぐに書け
  ない) 
・独特の筆順で書く 
・漢字の細かい部分を書き間違える 
・句読点が抜けたり、正しく打つことができない 
・限られた量の作文や、決まったパターンの文章しか書かない 
・学年相応の数の意味や表し方についての理解が難しい
 (三千四十七を300047や347と書く。分母の大きい方が分数の値として
 大きいと思っている) 
・簡単な計算が暗算でできない 
・計算をするのにとても時間がかかる 
・答えを得るのにいくつかの手続きを要する問題を解くのが難しい
 (四則混合の計算。2つの立式を必要とする計算) 
・学年相応の文章題を解くのが難しい 
・学年相応の量を比較することや、量を表す単位を理解することが難しい
 (長さやかさの比較。「15cm は150mm」ということ) 
・学年相応の図形を描くことが難しい(丸やひし形などの図形の模写。見取
 り図や展開図) 
・事物の因果関係を理解することが難しい 
・目的に沿って行動を計画し、必要に応じてそれを修正することが難しい 
・早合点や、飛躍した考えをする

 (0:ない、1:まれにある、2:ときどきある、3:よくある、の4段
 階で回答) 




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