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ADHD(落ち着きがない、不注意)

まずはADHDとは何か? ということについてから始めましょう。

ADHDとは注意欠如多動症のことで、文字通り『注意欠如(不注意)』優勢タ
イプと『多動性(多動性・衝動性)』優勢タイプ、そして両方が入り混じったタ
イプがあります。

ADHDというと、主に男の子をイメージすることが多いようですが、女の子に
も存在しますし、成人男女にも存在します。

ちなみに、僕もADHDっぽい人です。

「『っぽい』ってなんじゃ?」と思われた方もいるでしょうね。
実は、ADHDには【社会的、学業的、または職業的機能において、臨床的に著
しい障害が存在するという明確な証拠が存在しなければならない】という要件が
有るんです。
そして、僕は著しい障害とまでは言えないんですね。

ただ、下記にあてはまるのが多い人は、アダルトADHDっぽい人かもしれませ
ん。(これによって社会的に著しい障害があるという証拠が有れば、お医者さん
やカウンセラーに直行しましょう。)

1.整理整頓がすごく苦手
2.物事をきちっと終わらせることができない
3.ついついぼんやりとしてしまう
4.自分について、対人関係についての認識が甘い
5.とりあえず、と色々なことに手をつけ、ゴチャゴチャになってしまう
(以上注意欠陥)
6.衝動的な行為や発言をしてしまう
7.切れてしまうことがちょいちょいある
8.一つのことを落ち着いて長時間やれない
(以上多動性・衝動性)


さて、先に『要件』と書きましたが、ADHDの要件は、アメリカ精神医学会が
作成した『精神疾患の分類と手引き』である「DSM-V」に書かれていますの
で、今度はそちらをご覧ください。


「DSM-V」より

A.(1)および/または(2)によって特徴づけられる。不注意および/または多動
  性-衝動性の持続的な様式で、機能または発達の妨げとなっているもの

(1) 不注意:以下の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月持続
  したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的および学業的/
  職業的活動に直接、悪影響を及ぼすほどである
  注:それらの症状は、単なる反抗的行動、挑戦、敵意の表れではなく、課題
  や指示を理解できないことでもない。青年期後期及び成人(17歳以上)では
  、少なくとも5つ以上の症状が必要である
   
(a) 学業、仕事、または他の活動中に、しばしば綿密に注意することができな
   い、または不注意な間違いをする(例:細部を見過ごしたり、見逃してし
   まう。作業が不正確である)。
(b) 課題または遊びの活動中に、しばしば注意を持続することが困難である(
   例:講義、会話、または長時間の読書に集中し続けることが難しい)。
(c) 直接話しかけられたときに、しばしば聞いていないように見える(例:明
   らかな注意を逸らすものがない状況でさえ、心がどこか他所にあるように
   見える)。
(d) しばしば指示に従えず、学業、用事、職場での義務をやり遂げることがで
   きない(例:課題を始めるがすぐに集中できなくなる、また容易に脱線す
   る)。
(e) 課題や活動を順序立てることがしばしば困難である(例:一連の課題を遂
   行することが難しい、資料や持ち物を整理しておくことが難しい、作業が
   乱雑でまとまりがない、時間の管理が苦手、締め切りを守れない)。
(f) 精神的努力の持続を要する課題(例:学業や宿題、青年期後期及び成人で
   は報告書の作成、書類に漏れなく記入すること、長い文書を見直すこと)
   に従事することをしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う。
(g) 課題や活動に必要なもの(例:学校教材、鉛筆、本、道具、財布、鍵、書
   類、眼鏡、携帯電話)をしばしばなくしてしまう。
(h) しばしば外的な刺激(青年期後期及び成人では無関係な考えも含まれる)
   によってすぐ気が散ってしまう。
(i) しばしば日々の活動(例:用事を足すこと、お使いをすること、青年期後
   期及び成人では、電話を折り返しかけること、お金の支払い、会合の約束
   を守ること)で忘れっぽい。

(2) 多動性および衝動性:以下の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくと
  も6ヶ月間持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的
  および学業的/職業的活動に直接、悪影響を及ぼすほどである
  注:それらの症状は、単なる反抗的行動、挑戦、敵意の表れではなく、課題
  や指示を理解できないことでもない。青年期後期及び成人(17歳以上)では
  、少なくとも5つ以上の症状が必要である。

(a) しばしば手足をそわそわ動かしたりトントン叩いたりする、またはいすの
   上でもじもじする。
(b) 席についていることが求められる場面でしばしば席を離れる(例:教室、
   職場、その他の作業場所で、またはそこにとどまることを要求される他
   の場面で、自分の場所を離れる)。
(c) 不適切な状況でしばしば走り回ったり高いところへ登ったりする(注:青
   年または成人では、落ち着かない感じのみに限られるかもしれない)。
(d) 静かに遊んでいたり余暇活動につくことがしばしばできない。
(e) しばしば”じっとしていない”、またはまるで”エンジンで動かされてい
   るように”行動する(例:レストランや会議に長時間とどまることができ
   ないか不快に感じる;他の人には落ち着かないとか、一緒にいることが困
   難と感じられるかもしれない)。
(f) しばしばしゃべりすぎる。
(g) しばしば質問が終わる前に出し抜いて答え始めてしまう(例:他の人達の
   言葉の続きを言ってしまう;会話で自分の番を待つことができない)。
(h) しばしば自分の順番を待つことが困難である(例:列に並んでいる時)。
(i) しばしば他人を妨害し、邪魔する(例:会話、ゲーム、または活動にに干
   渉する;相手に聞かずにまたは許可を得ずに他人の物を使い始めるかもし
   れない;青年または成人では、他人のしていることに口出ししたり、横取
   りすることがあるかもしれない)。

B. 不注意または多動性-衝動性の症状のうちいくつかが12歳になる前から存在
  していた。

C. 不注意または多動性-衝動性の症状のうちいくつかが2つ以上の状況(例:
  家庭、学校、職場;友人や親戚といる時;その他の活動中)において存在す
  る。

D. これらの症状が、社会的、学業的、または職業的機能を損なわせているまた
  はその質を低下させているという明確な証拠がある。

E. その症状は統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるもの
  ではなく、他の精神疾患(例:気分障害、不安症、解離症、パーソナリティ
  障害、物質中毒または離脱)ではうまく説明されない。


------以上


さて、これらの基準は考え様によってはかなり曖昧になってしまいます。
ADHDと類似するものとしては、アスペルガー症候群や反抗挑戦性障害(OD
D)、またケースによっては躾が思いっきりできていない等が有り、勝手に判断
するのは避けなければいけません。

なお、このDSMの定義ではよくわからん! という声も多いので、わかりやす
く書いてある本「ADHDをもつ子の学校生活」(リンダ・フィフナー著)から
引用しますね。
(以下 引用文)

ADHD混合型

授業中によく起こる問題

過活動・じっと座っていられない・過度におしゃべり・手を挙げずに大声でしゃ
べる・せっかち・課題を始められない・課題の仕上げがずさん・クラスのおどけ
もの・仲間の注目を求める・責任をとらない・ちょっとしたことでイライラする
・ルールに従わない・騒々しくて場をかき乱す・目先の満足を求める・興味のな
い活動を続けるのが困難

仲間とのあいだでよくおこる問題

ちょっかいを出す・短気・活動に割り込む・ちょっとしたことでイライラする・
自分のやり方に固執する・仲よくするコツがつかめない・無神経・他人の立場を
理解できない・挑発を無視できない・たびたび活動を変えたがる・仲間はずれに
される

家庭でよくおこる問題

話を聞かない・宿題をせっかちに片づける、またはやり遂げられない・話の腰を
折る・片づけない・欲求が満たされないとすぐにかっとなる・日課を忘れる・朝
ぐずぐず過ごす・待つことが嫌い・考える前に行動してしまう・向こう見ず

ADHD不注意優勢型

授業中によく起こる問題

空想をする・課題を最後までやれない・忘れっぽい・細部に注意を払えない・疲
れているように見える・途方に暮れている・だらしがない・物を失くす・机の上
が乱雑・作業がずさん・課題を続けるのにそばで監督する必要がある・学習能力
に問題がある場合がある・課題に関心を向けるのがとても難しい・近くあるいは
遠くの刺激で気が散りやすい

仲間とのあいだでよくおこる問題

引っ込み思案・物静か・仲間から無視される

家庭でよくおこる問題

宿題をやり遂げられない・日課を忘れる・思い出させるための注意が常に必要・
乱雑でだらしがない・よく物を失くす・ぼおっとしている・話を聞いていないよ
うに見える
(以上引用文)

ADHDの原因は遺伝的要因や神経生物学的要因、つまり生まれつきなものが主
で、『親のしつけ』とか『環境の問題』などに障害の原因が有るとは考えられて
おりません。但し重症度には『しつけや環境』がかなり関係するようです。
(なお、妊娠時の母親の喫煙がADHDの発症リスクを高めるという研究発表も
あります。
Neuman RJ,Lobos E,Reich W,et al.Prenatal smoking ex-posure
 and dopaminergic genotypes interact to cause a severe ADHD
 subtype.Biol Psychiatry 61:1320-1328,2007)



お医者さんの治療としては、脳内物質に働きかけるリタリン(メチルフェニデー
ト)という薬が使われたことが多く、また3分の2くらいの人に効果が表れまし
た。

ただ、この薬は有る面から言うと覚醒剤でもあるので、医師の指示に忠実に服用
しなければいけませんし、長期間の服用は避けたほうがよいと言われています。

このリタリンは効いている時間が短いのが難点だったのですが、最近は長時間効
くコンサータというリタリンと同類の薬がよく使われています。
また、それとは組成が違うストラテラという薬も使われだしています。
こちらは、抗うつ薬と似た薬で、NRI(ノルアドレナリンの再取り込みを抑え
る)と呼ばれています。


なお、ADHD児童は児童全体の2~5%(説によっては2%~7%、中には1
割を超えるという研究者もいる。)だと言われています。
ということは1学級に1人以上いる場合が多いので、学校の先生がADHD児童
に対してどのように接すればいいのかと、悩んでおられる場合が結構多いんです
ね。

ただでさえ40人もの子供を見ながら膨大な事務作業を抱えておられるので、お
手上げになってしまうケースも、まま有るようです。
でも、すぐに効く良い方法というのは、やっぱりありません。

親や先生が叱るとか、それでも聞かないので嫌になって無視すると、ますますひ
どくなっていくのがADHD児童の特徴です。
(こういうパターンを2次障害と呼んでいます。)


「そのうち、大きくなったら落ち着くだろう」と楽観的に考えている人もおられ
るようですが、油断は禁物です。
ADHD児の4割以上(10代の場合は65%以上)に、反抗挑戦性障害に関連す
る行動が顕著に見られ(Jensen et al 1997 )、また特に中学生においては
窃盗などのより深刻な反社会的行動が見られるるという研究結果も有ります。

ADHDからODD(反抗挑戦性障害)、そしてCD(行為障害=非行や刑法犯
)となり、最後にはAPD(反社会性人格障害)となっていく例も多いのです。
(注:ODD CD APDについては最下部参照のこと)

APDとなってしまい、凶悪犯罪に手を染めるようになってしまったら、取り返
しがつきませんからね。

ADHD ODD CD APD
また、ADHDのある子どもの約80%が学業不振という問題を抱えていると言わ れており、2~3割は学習障害とされています。 (学習障害は⇒http://npo-jisedai.org/ld.htm 参照) これらは成長につれて改善されると以前は考えられていましたが、アメリカでの 調査結果ですが、ADHDの大学卒は5%で、一般児の大学卒業率40%以上とい う数字と比べると格段の差が出ています。 ただこれについては、『頭が悪い』というよりも、『集中できない』とか『学習 を強制されると感情的に反抗してしまう』という特性が原因のケースが多いんで すね。 また、衝動性が激しく他の生徒を巻き込んだりして結果的に授業妨害となったり 、攻撃性が有る為に先生に反感を持たれたりしやすいというのも、『成績が悪い 』状態になってしまう原因の一つだと考えられます。 親が自分の子をADHDであると気付いていなかったり、また『障害』という言 葉に抵抗がある為にそれを認めず、先生に伝えていない場合においては、先生は 『反抗的で不注意で、他の生徒を巻き込んで授業を妨害する、悪意に満ちた子ど も』と見てしまう場合もあります。 しかもADHD児は、すぐ次のことに気持ちがいってしまって、つい今さっきし ていた事や叱られた事も忘れてしまいますので(注意の転導)、「言っても聞く 耳を持たない」と悪意のように思われがちなんですね。 もっとも、子どもがADHDであると伝えることによって、悪意と見なされる不 幸はなくなっても『障害児』というレッテルを貼られて、おかしな同情の目で見 られるという不具合が生じるケースもあり、ここが本当に難しいところです。 なお、アメリカでは、ADHD児の父親のうち30%が、また母親の20%がア ダルトADHDで、親も治療が必要だという説(Barkley)もあります。 つまり、学校の先生の立場から言うと、親も同じ傾向を持っている場合があるの で、うまく伝えにくいことも多々有るということになりますね。 本当は、幼稚園や保育園の時点で親が子どもの特性に気づき、幼稚園や保育園側 と話し合ってその子に向いた教え方や育て方をすればいいのでしょうが、現状で はかなり難しいと言わざるを得ません。 筆者が関係するあるNPO団体が、ボランティア活動の一環として、『ADHD や学習障害(LD)を理解するセミナー』を無料で行った際、2回にわたって 100を超える幼稚園や保育園に案内状を送りましたが、反応は『0』・・・。 幼稚園や保育園の関係者は、誰一人セミナーには来られませんでした。 ただ、絶望的になる必要はありません。まず、ADHDの3人に1人は大人にな ればうまくやっていることがわかっています。 また、学校ではうまくいかなくても、ADHDに有効な行動療法を身に付けた心 理カウンセラーなどの専門家と親が共同して育てていけば、その子に向く職業さ え選べば社会的に成功することは可能ですから。(感性が必要とされる営業職や 経営者、芸能人や芸術関係、クリエイター等) もっとも、何の対応もせずに大人になった場合は、度々の転職、長期の失業、離 婚、犯罪などのケースが一般の人よりもかなり多いのは事実です。 特に女性の場合は、無計画な妊娠をする率が高いこともわかっており、また恋愛 においても過剰支配傾向のある男性を選び、ますます自信を失うケースや、自分 のテンポに合う自己制御できない男性を選んで、無計画な人生を送ってしまうこ とも多々あるようです。 対処法 ADHD児は、早い時期に繰り返し対応(強化)すると、一般児とかなり近い行 動ができるという研究もありますが、普通は対応が遅く、また一般児の強化の方 法では効きにくい場合が多い為、なかなか難しいのが現実です。 『おもしろくさせる』『早く対応(ほめる)』『頻繁に(ADHD児を)観察す る』などが重要ですが、40人近い子どもを受け持たねばならない学校の先生に これを期待するのは、これもかなり難しいと言わざるを得ません。 バークレイらの研究では、ADHDの重要な問題は行動抑制能力(反応遅延能力 )が低いということに有ります。 つまり、『待てない』など自分をコントロールできにくいということですね。 これによって4つの実行機能(1.作業記憶 2.情動によって引き起こされた自己 抑制 3.内的言語 4.行動の分析・抑制)が発達しにくくなると言うのです。 簡単に言うと、『待てない』ということのおかげで、次から次へと興味が移った り刺激にすぐに釣られてしまい、今やっていることを忘れたり、続けられなくな ったり、考えをまとめられなくなったり、損得や人の迷惑を考えられなくなった りするということです。 諸悪の根源は『待てない』ということに有る、という事ですね。 しかも厄介なことに、これは生まれつきの脳の問題なので、『待つ努力をしない 』のではなく、先天的に『待つことができにくい』ワケです。(バークレイ達の 調査において、ADHDの若者は車の運転において、スピード違反や事故が多い という研究結果もあります。) だから、「どうして待てないの!」と叱っていても、問題は解決するどころか、 反抗などの新たな問題を生み出していくという悪循環に陥っていくという事にな るんですね。 ・・・となると、対処法としては『待つと良いことがある』ということを、気長 に、そしてしっかりと徐々に植え付けていくこと。 また薬で脳の機能を一時的ではありますが、変化させることが現状では一番有効 だということになるようです。 さて、ADHDの子を持つ親は本当に大変です。 疲れきって、怒るしかない状態になってしまうのも無理はありません。しかし、 それではいつまでたっても解決には繋がらないのも事実です。 大変だとは思いますが、大事なのは【小さいことから評価をする】ことです。 怒って子どもを制御するのではなく、子どもが自分で自分を制御できる方向に向 かって、少しでもいいからマシ( More better )にするという気持ちが大事な んですね。 結果を怒るのではなく、どうするかに根気よくエネルギーを注ぐしかありませ ん。 例を挙げてみましょう。 例えば、子どもが絵本を読むことにしたとしますね。 その場合、まずは目標を設定します。 「10分、絵本を読もうね」(近くに時計を置いておきます。)       ↓ 10分、うまくできた場合のご褒美を話し合って決めます。 「できたら、何がほしい?」 「ケーキ!」 「よしっ! じゃあケーキをあげるね。でも10分本を一緒に読めなかったら、 ケーキは無しだよ?」       ↓ ここで、少し子どもから離れ、本を読み続けられるかどうかをさりげなく見てい る。もし絵本が嫌になったり、他のことに気が散って読み続けられなくなっても 怒らない。(←ここがポイント)       ↓ ただし、10分読み続けられなかったら、いくら子どもが泣こうが怒ろうが、ケ ーキはあげない。 しかし、もし10分絵本に向かい続けられたら、その時はものすごく褒めて、ケ ーキをすぐに出す。(この際、説教めいた言い方は絶対にしない。ともかく、読 み続けられたことを母(父)はとっても喜んでいるということを表情や態度で表 す。) ※なお、10分という長さが難しい場合は、別に5分でも3分でもかまわない。 これがやってみると、結構大変です。 子どもは駆け引きをしたり抜け道を探したりして、ついつい親の方も感情的にな ってしまう場合が多いんですね。 でも、この積み重ねが重要なんです。 さて、周囲が心がけることとしては、 1.やってほしいこと 2.やってほしくないこと 3.やってはいけないこと を、はっきりと明文化するのが大事です。 『やってほしいこと』をしたら、得をする。 『やってほしくないこと』をしたら、得をできない。 『やってはいけないこと』をしたら、罰が待っている。 これが、はっきりとADHD児にわかるよう、また親や周囲の気分でルールが変 わらないよう、明確にしておくわけですね。 また指示はまぎらわしい言い方よりも、単刀直入に言った方が効果があります。 例1;「明日、体操服を持ってきてくれませんか?」        ↓    「明日、体操服を持ってきてください」 例2;「明日のダンスは、ちゃんとやってね」        ↓    「明日のダンスでは、途中で声を挙げたり、手を振り回したりせず、みん     なと同じような動きを最後までしてね」 例3;「目立ちたがらないように!」        ↓    「他の人が話している時は、その話が終わってから発言しましょう」 ところで、ADHD児に対する罰としては『タイム・アウト法』が効果的と言わ れています。 親子で話し合って決めたルールを破った場合、例えば静かな部屋の片隅に『おと なしくしている場所』を決め、そこに数分間じっとしていなければならない、と いう罰です。 ADHD児はなかなか落ち着いていられませんので、最初はその場所に放ってお くのではなく、タイマーを片手に親が見ていた方がよいでしょう。 (行動療法を用いた『直接随伴性管理』については、下部参考資料の引用をご覧 ください。) 親トレーニング やはりなんといっても、ADHD児に一番影響があるのは親です。 ところが、その肝心な親が、自身のことを『自分はダメな人間だ』とか、『何事 においても優れていなければならない』などというイラショナル・ビリーフ(非 合理的な思考の枠組み)を持っている場合があります。 この場合は、親が認知(論理)療法を学んで実践することにより、結果的に子供 にも良い影響を与えることになります。 (認知(論理)療法についてはここをクリックADHD児に効果的な教室 (「ADHDをもつ子の学校生活」より) 《構造》  規則、機械的な手順、指示、予定が明確である 《重要なことが際立っている》 視覚的な手がかりを用いる、ヒントを与える、  繰り返し教える 《一貫性がある》 制限を設ける、修正のフィードバックを慎重に用いる 《動機を高める》 肯定的なフィードバックと行動への結果を頻繁に与える 《授業がおもしろい》 熱心で創造的で目新しさのある授業をすることで子ども  の創造力と好奇心を捉える    さて、これはADHD児に対して限った話ではありませんが、とにかく大事なの は【おもしろい】【つまらない(おもしろくない)】というのを価値観の中心に 置いて、接するということだと思います。 我々は、ついつい【良い】【悪い】を中心にして子ども達に接してしまいます。 もちろん、それは大事な事です。 だけど、それが先の見えない悪循環にはまり込んでいく場合が有るという事を、 頭の片隅に置いていただけたら幸いです。 そして、何といっても一番大事なのは認めることです。 この認めることの大事さと、認めないことによって将来にまで起きる人間関係 のトラブルについては、下記ホームページをご覧ください。 → 「認められる」ということ                 ADHDに関するカウンセリングのご相談は、ベルコスモ・カウンセリング までどうぞ。遠方の方には電話カウンセリングも行っております。 愛知県一宮市本町2-3-2 イトカンビル4F 0586-23-5575 belcosmo@jade.dti.ne.jp 参照⇒http://bellcosmo.net/service.html 発達障碍(ADHD)セミナー サンプル       Copyright(c)2011 NPO日本次世代育成支援協会 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ この著作権はNPO日本次世代育成支援協会にあります。 ♪楽しく、役に立つ心理学やカウンセリング理論を学びませんか? 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参考及び引用資料
「学校のなかのADHD」ジョヘジ・J・デュポール&ゲーリー・ストーナー
著「ADHDをもつ子の学校生活」リンダ・J・フィフナー著

なお、参考資料として「ADHD注意欠陥/多動性障害の子への治療と介入」
(キース・コナーズ他編)という本の、目安となる表と、直接随伴性管理を下
記に挙げておきます。




ADHDの典型的症状


 
  
核の症状/問題
定義
子どもの典型的な
行動
成人の典型的な行動
注意持続困難
他の人をいら
いらさせるよ
うな注意の短
さ
・教師が、指示を何
 度も繰り返す必要
 がある。
・ADHDの子ども
 は,他の子どもが
 1つのゲームで遊
 びつづける時間内
 に,5~6種類の
 ゲーム,またはお
 もちゃで遊ぶ可能
 性がある。
・成人では映画を見
 る,本を読む,絵
 を描く,裁縫をす
 るなどの持続的な
 注意を必要とする
 活動に興味を示さ
 なかったり,避け
 る可能性がある。
注意の転動
環境刺激のた
めに,取りか
かっている課
題から注意が
それる。    
・ゴミを片づけよう
 としていても,犬
 や,弟,おもちゃ
 ,ゴミの中の面白
 いものに気がそれ
 る可能性がある。
 その結果,ゴミが
 ゴミ箱に片づかな
 い。
・成人では,電話や
 同僚により仕事を
 中断させられると
 ,仕事を終えるこ
 とができず,注意
 の転動状態を示す
 。
衝動性/多動性
考えずに行動
し,しばしば
危険な目にあ
う。       
・テレビを見ている
 間中,椅子に上が
 ったり,降りたり
  する。
・人が話しているの
 をさえぎる。
・左右を見ないで道
 に飛び出す。
・「面白い」からと
 ,屋根から飛び降
 りる。          
・ゲームをしている
 時,他の人の番な
 のにわりこむ。
・幼い時には,寝て
 いる間,健常児に
 比べると絶えず体
  を動かしていて,
 落ち着かない。
・成人では,結果を
 よく考えずに,衝
 動買いをしたり,
 即断する。
協調性の欠如
不注意と衝動
性のために社
会的スキルに
乏しい      
・順番を待てず,ル
 ールを守らない。
・通常は規則を知っ
 ているが社会的場
 面で期待される時
 に規則に従うこと
 ができない。
・同僚とトラブルを
 起こす可能性や,
 雇用者と合わなく
  て仕事を頻繁に変
 える可能性がある
 。

『直接随伴性管理』

1.標的行動を確定する。例えば、宿題をすること、手伝いをすること、あるい
  は話す前には手を挙げること。

2.行動変容に必要な強化刺激の頻度を決める。(例えば、毎日、時間ごと、あ
  るいは手伝いをすること)

3.適切な強化刺激を決める。たとえば、毎晩親と1対1で15分過ごす。ある
  いは特別な玩具を得るためにポイントをかせぐこと。

4.子どもにプログラムを説明し、強化を始める。

5.継続して行う。

6.頻度や持続時間を記録して標的行動の軌跡を追う。(例えば、子どもが自分
  から宿題をした回数を数える、あるいは宿題をしている時間の長さを計る。
  )	

7.効果を評価する。いつ目標に達したか、どの新しい目標を追加するか、ある
  いはどの強化刺激を変更するかを決めるために、定期的な評価を通して行う
  。強化刺激はしばしば「着古したり」、行動を変えるのに効力を失う。変更
  して、価値を増す必要がある。

8.成功か失敗を決める前に、各強化プログラムを7週間行う

ADHD介入において直接随伴性管理をいかに効果的に行うか?
最近のメタ分析は、ここ25年の優れた計画の中で、教室におけるADHD行動
の管理に最も効果があるのは随伴性管理であることを示している。ADHDの軽
い事例に対する治療選択として随伴性管理を推奨する実践家がだんだんと増えて
きている。

      以上「ADHD注意欠陥/多動性障害の子への治療と介入」引用文

参考資料
    
「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実
態調査」文科省 (学校の先生から見た判断基準です。)

<「不注意」「多動性-衝動性」> 

・学校での勉強で、細かいところまで注意を払わなかったり、不注意な間違いを
したりする 
・手足をそわそわ動かしたり、着席していても、もじもじしたりする 
・課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい 
・授業中や座っているべき時に席を離れてしまう 
・面と向かって話しかけられているのに、聞いていないようにみえる 
・きちんとしていなければならない時に、過度に走り回ったりよじ登ったりする 
・指示に従えず、また仕事を最後までやり遂げない 
・遊びや余暇活動に大人しく参加することが難しい 
・学習課題や活動を順序立てて行うことが難しい 
・じっとしていない。または何かに駆り立てられるように活動する 
・集中して努力を続けなければならない課題(学校の勉強や宿題など)を避ける 
・過度にしゃべる 
・学習課題や活動に必要な物をなくしてしまう 
・質問が終わらない内に出し抜けに答えてしまう 
・気が散りやすい 
・順番を待つのが難しい 
・日々の活動で忘れっぽい 
・他の人がしていることをさえぎったり、じゃましたりする

(0:ない、もしくはほとんどない、 1:ときどきある、 2:しばしばある、
3:非常にしばしばある、の4段階で回答) 




注

「DSM-Ⅳ-TR」より

反抗挑戦性障害(ODD)

A.少なくとも6カ月持続する拒絶的、反抗的、挑戦的な行動様式で、以下のう
  ち4つ(またはそれ以上)が存在する。
1.しばしばかんしゃくを起こす。
2.しばしば大人と口論する。
3.しばしば大人の要求または規則に従うことに積極的に反抗または拒否する。
4.しばしば故意に他人をいらだたせる。
5.しばしば自分の失敗、無作法を他人のせいにする。
6.しばしば神経過敏または他人からいらいらさせられやすい。
7.しばしば怒り、腹を立てる。
8.しばしば意地悪で執念深い
注:その問題行動が、その対象年齢および発達水準の人に普通認められるよりも
  頻繁に起こる場合にのみ、基準が満たされたとみなすこと。

B.その行動上の障害は、社会的、学業的、または職業的機能に臨床的に著しい
  障害を引き起こしている。
C.その行動上の障害は、精神病性障害または気分障害の経過中にのみ起こるも
  のではない。
D.行為障害の基準を満たさず、またその者が18歳以上の場合、反社会性パー
  ソナリティ障害の基準は満たさない。


行為障害(CD)

法や規則を破ったり、他人に攻撃などの危害を加える。反社会性人格障害の予兆
とも言われる。治療として効果があるといわれている方法 薬物療法、家族療法
、環境カウンセリング

「DSM-Ⅳ-TR」より

A .他者の基本的人権または年齢相応の主要な社会的規範または規則を侵害する
  ことが  反復し持続する行動様式で、以下の基準の3つ(またはそれ以上)
  が過去12ヶ月の間に存在し、基準の少なくとも1つは過去6ヶ月の間に存
  在したこっとによって明らかとなる。

  <人や動物に対する攻撃性>
(1) しばしば他人をいじめ、脅迫し、威嚇する。
(2) しばしば取っ組み合いの喧嘩をはじめる。
(3) 他人に重大な身体的危害を与えるような武器を使用したことがある。(例:
  バット、煉瓦、割れた瓶、ナイフ、銃)
(4) 人に対して残酷な身体的暴力を加えたことがある。
(5) 動物に対して残酷な身体的暴力を加えたことがある。
(6) 被害者の面前での盗みをしたことがある(例:人に襲いかかる強盗、ひった
  くり、強奪、武器を使っての強盗)。
(7) 性行為を強いたことがある。

   <所有物の破壊>
(8) 重大な損害を与えるために故意に放火したことがある。
(9) 故意に他人の所有物を破壊したことがある(放火以外で)。
 
   <嘘をつくことや窃盗>
(10)他人の住居、建造物、または車に侵入したことがある。
(11)物や好意を得たり、または義務を逃れるためしばしば嘘をつく(すなわち、
  他人を”だます”)
(12)被害者の面前ではなく、多少価値のある物品を盗んだことがある(例:万引
  き、ただし破壊や侵入のないもの;偽造)。

   <重大な規則違反>
(13)親の禁止にもかかわらず、しばしば夜遅く外出する行為が13歳以前から始
  まる。
(14)親または親代わりの人の家に住み、一晩中、家を空けたことが少なくとも2回
  あった(または、長期にわたって家に帰らないことが1回)。
(15)しばしば学校を怠ける行為が13歳以前から始まる。

B. この行動の障害が臨床的に著しい社会的、学業的、または職業的機能の障害
  を引き起こしている。

C. その者が18歳以上の場合、反社会性パーソナリティ障害の基準を満たさな
  い。

軽症  診断を下すのに必要な項目数以上の行為の問題はほとんどなく、および
    行為の問題が他人に比較的軽微な害しか与えていない。
    (例:嘘をつく、無断欠勤、許しを得ずに夜も外出する)
中等度 行為の問題の数および他者への影響が”軽症”と”重症”の中間である
    。(例:被害者に面と向かうことなく盗みを行う、破壊行為)
重症  診断を下すのに必要な項目数以上に多数の行為の問題があるか、または
    行為の問題が他者に対して相当な危害を与えている。(例:性行為の強
    制、身体的残酷さ、武器の使用、被害者の面前での盗み、破壊と侵入)


反社会性パーソナリティ障害(APD)

A.他人の権利を無視し、侵害する広範な様式で、15歳以降起こっており、以
  下のうち3つ以上によって示される。

1 法にかなう行動という点で社会規範に適合しないこと。これは逮捕の原因に
  なる行為を繰り返し行うことでしめされる。
2 人をだます傾向。これは繰り返し嘘をつくこと、偽名を使うこと、または自
  分の利益や快楽のために人をだますことによって示される。
3.衝動性または将来の計画を立てられないこと
4.易怒性および攻撃性。これは身体的な喧嘩または暴力を繰り返すことによっ
  て示される。
5.自分または他人の安全を考えない向こう見ずさ。
6.一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない、または経
  済的な義務を果たさない、ということを繰り返すことによってしめされる。
7.良心の呵責の欠如。これは他人を傷つけたり、いじめたり、または他人のも
  のを盗んだりしたことに無関心であったり、それを正当化したりすることに
  よって示される。

B.その人は少なくとも18歳である。
C.15歳以前に発症した行為障害の証拠がある
D.反社会的な行為が起こるのは、統合失調症や躁病エピソードの経過中のみで
  はない



ADHDについて参考になる本
 
  



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