アダルトチルドレン(共依存)と愛着障害、心理カウンセリング 電話・Skypeも可
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アダルトチルドレン(共依存)
アダルトチルドレンとは子ども時代に機能不全家庭で育った為、大人になっても内心的なトラウマを持ち続けている人のことを言います。
とは言え、これってきちっと定義された病気とか障害ではないんですね。
最初はアルコール依存症の親のもとで育ち、大人になっても何らかの不全感を感じ続けている人のこととされていたのですが、だんだんとアルコール依存症に限らず『機能不全家族』と広げられていきました。
(ちなみに機能不全のパターンの中でも、親から愛情をもらえない度合いが高い場合は【愛着障害】となり、この場合は精神疾患として医学的にDSMという基準で認められています。
愛着障害のページはこちら⇒ https://npo-jisedai.org/attachment.html)
ところで機能不全ってどの程度?
ここが難しいところです。
まぁギャンブル依存とか、DV行為が頻繁にあるとかは明らかに機能不全と言えますが、例えば夫婦仲が悪いとかいうレベルなら世の中は機能不全家族だらけです。
大体、例えば40代くらいになると仲の良い夫婦なんて滅多にお目にかからないくらいです(仲がよさそうにふるまっている夫婦は沢山いますが)。
また夫婦仲が悪い家族でも、問題なく育っていく子どももいくらでもいます。
その子どもの性格や耐性、感受性にもよるんですね。
ですので、ここではとりあえず『あまり本人にとっては良くない環境で育ち、且つ次に当てはまることが多い人』をアダルトチルドレンとしましょうか。
A 自信が無い
B 要求や希望を表現することがなかなかできない
C 他の人の夢や目標の達成を自分の夢や目標にする
D 見捨てられ不安
E 自分は自分、人は人と割り切るのが苦手
F 察してくれることを切望する
G 低い自己評価
まずAの【自信が無い】というのは、共依存者の根源的な問題ですね。
もっとも、それを覆い隠す為にいろいろな努力をしたり、逆に強くふるまったり、またこれは後にも書きますが、子ども時代に『しっかりしている』ことを要求されて、そしてそれに応え続けていた為にしっかりしているように見えて、傍から見ると自信が無いとは見えない場合も少なくありません。
中には本人もそれに気付いていない場合もあります。ただ、しっかりしているように思えても、それは『そうせざるを得ない』からしてきた、芯からしっかりしたものではなく脆いものなので、ポキッと折れてガタガタになってしまう事も往々にしてあります。
Bの【要求や希望を表現することがなかなかできない】というのは、『頼めない』とか『イヤと断ることができない』ということとなって行動に現れます。
また、『(人を)喜ばせろ 』というドライバー(駆り立てるもの)が心の中にいつも在る為、無意識のうちに人が喜ぶ方へと気を遣ったり、行動をしたりしてしまいます。
中には無理をしていても気付いていない場合もあるくらいです。
Cの【他の人の夢や目標の達成を自分の夢や目標にする】というのは、AやBとも密接に絡んでくることですね。子どもの頃に自分の欲求や希望を否定されたり無視され続ける、もしくは自分の欲求はいつも後回しにさせられ他の人の欲求を叶えることが優先される環境だったという事が、そのあとの人生にもずっと脚本として強い影響を及ぼし続けるということです。
実はここがカウンセリングにとっても凄く重要なポイントとなります。
クライアントが『自分の為の、自分の夢や目標』を持てるようになったら、その人はもうアダルト・チルドレンじゃなくなってるんですね。
D 【見捨てられ不安】 これは大なり小なり誰にでもある感情ですが、幼児期に親との関わりが希薄だった場合はこれがとても強い人間になってしまいます。
これが強いと自分と相手との関係は、『拘束』がキツい状態に陥ってしまいます。
E 【自分は自分、人は人と割り切るのが苦手】と書きましたが、共依存の人は自分と人との境界線を設定するのが苦手なんですね。
境界線というのは或る意味『防衛線』なんです。
これを図々しい人に簡単に突破されちゃう。
わかりやすい言葉で言えば、心の中に土足で入られちゃうんです。
しかも自分は人の防衛線に対して過剰に反応するんです。
かと思えば安心した人に対しては境界線を取っ払って甘えたくなっちゃう。
Dの見捨てられ不安があるから好きな人とは境界線無しの超ベッタリした関係でいたいワケです。
F アダルトチルドレン(共依存)の人は、Dの【見捨てられ不安】が強いこともあり、必死になって相手を察しようとします。
しかもBの要求ができないこともあり、相手が自分を察してくれるのを切望してしまいます。
でも希望通り察してもらえることは少ないので、その度に傷つくのですが、無理だとわかっていても察してほしいという思いはやめられません。
さて、例えば父親がアルコール依存だったとしましょうか。
そして母親はそれに耐えるタイプだったとします。
この場合は子どもは父親から【回避】ということを、そして母親から【辛抱】ということをモデリング(取り入れ)します。
そして、下記のどれかのタイプに進む場合が多いんですね。
1.しっかり者
早い話が、その家に本来必要な父親の替りです。責任感が強く、何かあると自分のせいだと強い自責観念を持ちます。
男の子に多いパターンです。
2.看護師タイプ
苦労している母親の愚痴の相手をしたり、家事を手伝ったり兄弟の世話をしたりと無意識の内に自己犠牲に走り、また自罰感が強く自尊感情も低いので自分の存在価値を認められません。
3.ピエロタイプ
場が緊張すると面白い事を言ったり、わざと失敗したり笑いものになったりして雰囲気を和らげようとします。
心の内側の暗い部分は見せず明るく振る舞う事が多い為、周囲はそれに気付かない事が多いようです。
4.回避タイプ
問題に向き合わず、逃げたり何もしなかったり先送りするタイプです。
5.不適応行動タイプ
不良行為などに走るタイプです。
この中でうつ病にかかりやすいのは1.2.3のタイプが多いですね。
小中学生の自殺で、「あんな明るい、クラスの人気者が自殺するなんて!」と驚かれるのは3のピエロタイプの場合が少なくありません。
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基本的信頼感の問題
ところで、自らをアダルト・チルドレンと言われるクライアントに、基本的信頼感というお話をすることがよくあります。 心理学者エリクソンの、発達段階論というとても有名な理論があるんですね。 これは、乳児期から老年期までの各段階において重要である事を表しているのですが、まず最初の乳児期(0歳~1.5歳)においては、≪基本的信頼vs不信≫という構図をエリクソンは考えました。 乳児って不快なことがあったり、不安になったりすると泣きますよね。 でもその時に、母親の愛情を感じられれば、不安や不快は【安心】に変わります。 そして、そうやって愛情を感じるごとに、【人(母)を信頼できる力】とともに『自分を愛してくれる人がいる』という【自分の存在を肯定できる力】が育っていきます。 これを基本的信頼感(basic trust)と云うわけですね。 しかし逆に、泣いても誰もかまってくれないし愛情も感じられないということが続くと、人に対して信頼はできないワ、自分というものに自信は持てないワで【不信(basic mistrust)】が心の中に根づいてしまいます。 つまり、ここの段階で躓いちゃうと、『相手を信じる』という力、キャパと言ってもいいですが、それが育っていない為に不安に陥りやすくなっている為、例えば恋愛なんかではお互いに苦しい思いをしなくちゃいけなくなるんです。 何かあると、すぐに「あの人はわたしを愛していないのじゃないか」とか「わたしは愛されない人間じゃないか」ってなっちゃうんですね。 しかもここからが大事なのですが、例えば親が愛情を持ってかまってくれたとしても、それは子どもの期待に【100%】沿うものではないですよね。 お母さんだってお母さんの都合があるだろうし、例えば風邪をひいていたとしたら、風邪を移しちゃいけないからかまってあげられない…。 そういうことを乳児から幼児と育っていく段階で、子どもも段々とわかってきます。 『お母さんは自分に愛情を持ってくれているんだけど、自分の期待に100%応えてくれるわけにはいかない』って。 つまり、「まぁ、こんなもんだ」と理解するわけです。 ところが厄介なことに、あまりかまってくれないお母さんのケースだと、子どもの100%の期待に対して10%や20%しか返ってこないので、その「まぁ、こんなもんだ」を知らずにその子は大きくなっていくんですね。 でも実はそういう場合って、そのお母さんもあまりかまってもらえず育ってたりして、『愛し方』を知らなかったり、『愛する』余裕がなかったりっていうケースが多いんですよね。 だから、実はお母さんに『愛してもらえなかった』というよりは、お母さんに『【愛】の在庫があまりなかった』ってことなんです。 少し愛すると、すぐに【売り切れ】になっちゃうんですよね。 …で、「また今度」とか言われちゃって。 ミもフタも無い話と思われるかもしれませんが、実際はそんな話なんですよ。 さて、その子どもは「100%応えてほしい!」という思い(これを≪未完の思い≫と云います)を持ち続けて、大人になります。 そして、ぶつけるんですよ。 その≪未完の思い≫を恋愛相手に。 もちろん100%なんて、誰でも無理ですよね。 だから恋愛は破綻します。 そしてその人は【不信】とか【自己否定】を一段と強化していくんです。 思いっ切り悪循環にはまっちゃう…。 実は『自分はアダルト・チルドレンだ』と思っている人には、このパターンって多いんですよね。 さて、じゃあそういう人はどうしたらいいんだ? となるわけですが、答えとしては冒頭のAからGまでの特徴が、そうじゃないものになればよい、ということになります。 つまり、 A 自信が有る B 要求や希望を表現することができる C 自分の夢や目標を持つ D 見捨てられない人となる E 自分は自分、人は人と割り切ることができる F 察してくれることを期待せず、はっきりと言語化できる G 合理的な自己評価 …ということですね。 ただこれはかなりハードルの高い話なので、まずは「そんなことなのか」と流れを理解すること(この言葉ってカウンセリング中にクライアントからよく出てくる言葉なんです)。 そして、例えば恋愛相手が60%とか70%しか期待に応えてくれなくても、「まぁ、こんなもんだ」と理解すること。 最後に、「自分は【基本的信頼】の素人なんだから、これをしっかりと身に付けていくぞ!」と一念発起すること。 これで、素敵な恋愛への一歩が始まります。 ところで、アダルトチルドレンという問題においては、やはり認知行動療法や実存セラピーが効果があるのではないかと思います。 (認知療法⇒https://npo-jisedai.org/ninchi.html) 特に『合理的な自己評価』を持てるようになるには、やはりしっかりとした(ただ褒めたり共感したり受容するだけではない)カウンセラーにカウンセリングを頼むのが、近道だと思います。 自分の人生は、自分の為に有るのですし、その人生の意味をしっかりと考えないといくら優しい言葉を掛け合っていてもどこかで抜け切れないのではないかと思いますが…。 好評発売中のアダルト・チルドレンの本
アダルト・チルドレンのカウンセリングについてはこちら↓ https://npo-jisedai.org/service.html アダルト・チルドレンの人に、カウンセリング効果もあるカウンセラー講座はこちら↓ https://npo-jisedai.org/kouza.htm
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この内容はNPO日本次世代育成支援協会の鷲津が、愛知大学OCでの講義の内容を元に書いております。
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歯科医院経営・総合情報誌「アポロニア21」に掲載

大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナー

家庭教育月刊誌「子とともに ゆう&ゆう」に掲載

名古屋テレビ「UP!」でゲーム依存について

高浜市青年会議所で研修の講師を務めました
高浜市青年会議所で「自己分析して判断力を高めよう!」をテーマにした研修の講師を務めました。「パワーハラスメント予防研修」の講師を務めました

第34回 子どもの健康を考えるつどい

テーマ「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」
講師 NPO日本次世代育成支援協会代表 名城大学非常勤講師 鷲津秀樹
対象 保険医協会会員の医師歯科医師 学校教諭、保育士、一般市民
愛知県小児科医会の会報に寄稿

鷲津代表の内容は「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」です。
豊田市の「こころの健康づくりニュースレター」を執筆
愛知県豊田市では毎年3月を「自殺対策強化月間」とし、春の自殺予防キャンペーンを実施しており、それにに向けて1月から3月の3か月間、月1回「こころの健康づくりニュースレター」を提供しています。その1月号「劣等感と劣等コンプレックスについて」、2月号「劣等感と劣等コンプレックスについて NO2」、3月号「新しい環境におけるメンタルヘルス」を当協会の鷲津理事が執筆しました。 (画像をクリックすると拡大して読めます)
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小牧市の学校・カウンセラー連絡協議会の講演を務めました

あいち男女共同参画財団主催のHSPセミナーで講師を務めました

ネット・ゲーム依存防止の取り組みが毎日新聞に紹介されました

「eスポーツ」についてのコメントが東京新聞に紹介されました

三重県保険医協会「スマホ依存の予防と対処法」市民講座

『弔活の準備、進め方』「女性自身」に掲載されました
