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人間関係リセット症候群とは


人間関係リセット症候群とは、基本的には「人間関係が表面的な付き合いで、不安や面倒な思いから突発的に人間関係をリセットする人」のことを言います。

2015~2016年頃からネット等で使われるようになった言葉で、精神障害名としては確立していません。そのため、診断名としてのイ人間関係リセット症候群ではなく、「状態」として捉えることになります。

性格としては、回避性性格とか対人恐怖、またHSPなどと重なる場合もあります。
また、「曖昧さへの耐性」が低く、「二分化思考(オール・オア・ナッシング)」や「完全主義」の傾向が強いと言えるでしょう。

人間関係リセット症候群テスト


上記のように人間関係リセット症候群は精神障害名としては確立していない為、定義や症状も確立はしていませんが、或る程度の尺度は考えられますので簡易テストを作成してみました(但し標準化は行っておりません)。

人間関係リセット症候群の簡易テスト
(Copyright(c)合同会社ベルコスモ・カウンセリング不許複製)

よく当てはまる場合は3点、まあまあ当てはまる場合は2点 たまに有る場合は1点、当てはまらない場合は0点を付けてください。

1.自身の連絡先やSNSなどを衝動的に削除してしまう
2.人の顔色が気になる
3.失敗や恥を恐れてチャレンジできない
4.人間関係でストレスを抱えやすい
5.ストレスの量があるレベルを超えると、突然連絡が途絶える
6.気を使い続けることが負担に感じる
7.自己開示できない
8.人にものを頼むのが苦手だ
9.何かトラブルがあると、すぐに連絡を絶ちたくなる
10.自分は自分、人は人と割り切るのが苦手
11.SNS等を削除した後、電話番号やアドレスやブログも変更してしまう
12.断ることが苦手だ
13.人のSNSを見ていると嫉妬が出たりイライラすることがある
14.完璧主義、白か黒かはっきりさせたい方だ
15.批判、否認、または拒絶に対する不安が大きい
16.めんどくさがり
17. SNSでの友達・フォロワーをまとめて削除する

合計が35点以上だと注意が必要となります。

人間関係リセット症候群の問題点


自己表現が苦手で、ついつい人に合わせ過ぎるタイプが多い傍ら、子どもっぽいところもあり、また傷つきやすいなどメンタル面がタフではない為、人間関係のストレスが知らず知らずにたまっていきます。

また、「見たり聞いたりした情報をまるで自分のことのように感じる」という脳のミラーニューロンシステムが過剰に働いて、SNSで他の人が書いた怒り悲しみに同調(シンクロ)してしまい、ネット環境では人より疲れやすいタイプも見かけられます。

それ故、人間関係をリセットすることで、「煩わしさの解放」や「ストレスの軽減」に走るのかもしれません。

ただ、しばしば衝動的に人間関係をリセットすることにより、信頼関係を築けず孤独に陥ってしまうという問題を抱えてしまいます。


人間関係リセット症候群の対処法


人に自分の要求を伝えるのが苦手なタイプ、人に合わせ過ぎて自分のやりたいことができないタイプ、人の期待に応えすぎて忙しすぎて全てが嫌になってしまうタイプなど、人間関係リセット症候群とは言ってもいろいろあるのですが、実は人間関係の中ではリセットというのが必要な時もあります。

人は誰でも「人に好かれたい」という思いを大なり小なり持っています。

では、どうすれば好かれるか?

簡単な方法は、「相手にメリットを与える」ことです。

人間は己に得をさせてくれる人を好きになりますから、メリットを与えれば好かれる確率は高くなるでしょう。

しかし、ここで問題が生じてきます。

その「与える」やり方ばかりやっていると、「ちょうだい」ばかりの人が周囲に増えるということです。

しかしそこで「与える」のをやめると、「ちょうだい」を当てにしている人は去っていきますから、「孤独」になる率も当然高いですよね。
 
つまり、ここで「ヤケクソ」になって「縁を切る」という方法を取るのが人間関係リセット症候群というわけです。

となると、大事なのは【自分のキャパ以上に交流を広げないこと】になります。

もう一つは、自分のストレスの溜まり具合を自覚すること。
下図をご覧ください。



この図ではグラフの縦軸はストレス度です。
そして横軸が「努力や我慢」の度合いです。

努力や我慢を頑張れば頑張るほどストレスは溜まる、という構図となっているわけですね。

そして或るレベルを超えるとレッドゾーンに突入します。

これがパニック、つまり人間関係リセット症候群の人が「一斉削除」に走るタイミングです。

ここで問題となるのは、この図ではいきなりレッドゾーンに突入していることです。
一般的には下図のように、レッドゾーンに入る前にイエロー(要注意)ゾーンが有るんですね。


人間関係リセット症候群のタイプは、このイエローゾーンが無いのです。

ということは、これを理解し、今まであまり気づいていなかったイエローゾーンを、自覚できるようになれば良いということになります。

実はこれは、人によっても違いますが、或る程度注意して自分を観察するとわかってきます。
例えばイライラしやすくなったとか、酒量が増えたとか、睡眠が浅くなったとか…。

そしてこのイエローゾーンに気づけるようになれば、レッドゾーンに突入する前に休養やリフレッシュという手を打つことができ、二分化思考(オール・オア・ナッシング)に嵌りにくくなれるわけです。


認知療法とSFAが有効


さて、人間関係リセット症候群のタイプは、最初に書きましたが「曖昧さへの耐性」が低いケースをよく見かけます。

これが「完全主義」や「白か黒か思考」、また「~べき主義」と重なるとかなりきつい状況となり、リセットという行動に進んでしまうことにもなりかねないのですが、もしカウンセリングを受けるなら認知療法とSFA(解決志向アプローチ)が有効です。

「完全主義」は、いつも「ベストを目標とする」のではなく「モア・ベターを心がける」と意識すれば、きつさが緩んできます。

「白か黒か思考」については、「世の中『真っ白』とか『真っ黒』なんてそんなに無い。殆どは『グレーゾーン』に有る」ということを、いつも意識すること。

「~べき主義」は、「それは本当に『~であるべき事』なのか。ひょっとしたら『~であるにこしたことはない事』の可能性は無いだろうか」とチェックを入れることにより、思考が柔軟に変化していきます。

これらは認知療法を受けることにより身についていきますし、またSFAに長けたカウンセラーに相談すると、原因追及という過去思考の考えから未来に焦点を置いた考え方になっていき、曖昧さへの耐性も上がっていくことでしょう。


NPO日本次世代育成協会の心理カウンセラー養成講座では、認知療法とSFAのレクチャーもあります。
興味がある方はお気軽にお問合せください。


Copyright(c) NPO日本次世代育成協会


心理カウンセラー養成講座はWEB講座もあります。↓
https://npo-jisedai.org/webkouza.html
なお、人間関係リセット症候群には認知行動療法が適しています。

認知療法⇒https://npo-jisedai.org/ninchi.html






人間関係リセット症候群についてのカウンセリングについてはこちら↓
 https://npo-jisedai.org/service.html


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この内容はNPO日本次世代育成支援協会の鷲津が、カウンセラー講座での講義の内容を元に書いております。
著作権は合同会社ベルコスモ・カウンセリングにありますので、無断使用、複写等はできません。ご了承ください。



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歯科医院経営・総合情報誌「アポロニア21」に掲載

日本歯科新聞社が発行する歯科医院経営・総合情報誌「アポロニア21」4月号のパワハラ予防特集で【「つい口調がきつくなる」院長への処方箋(鷲津秀樹)】というタイトルで掲載されました。




大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナー

大分県立看護科学大学、日本文理大学、別府大学、立命館アジア太平洋大学、大分県立芸術文化短期大学、大分短期大学、東九州短期大学、別府溝部学園短期大学、別府大学短期大学部、大分工業高等専門学校、放送大学大分学習センター、大分大学で構成される「大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナーの講師として、各校の教職員の方々対象にWEBで講演しました(鷲津秀樹)。


家庭教育月刊誌「子とともに ゆう&ゆう」に掲載

公益財団法人 愛知県教育振興会が発行する家庭教育月刊誌「子とともに ゆう&ゆう」9月号(編集:愛知県小中学校長会、愛知県小中学校PTA連絡協議会、名古屋市立小中学校長会、名古屋市立小中学校PTA協議会)の”ゆうゆう情報局”に「ゲーム依存と子どもたちの環境」というタイトルで掲載されました。



名古屋テレビ「UP!」でゲーム依存について

名古屋テレビ「UP!」でゲーム依存についてお話しました。






高浜市青年会議所で研修の講師を務めました

高浜市青年会議所で「自己分析して判断力を高めよう!」をテーマにした研修の講師を務めました。

「パワーハラスメント予防研修」の講師を務めました

春日井市消防本部の「パワーハラスメント予防研修」の講師を務めました。





第34回 子どもの健康を考えるつどい

愛知県保険医協会主催の「第34回 子どもの健康を考えるつどい」で、ネット・スマホ・ゲーム依存に関する講演で講師を務めました。
テーマ「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」
講師 NPO日本次世代育成支援協会代表 名城大学非常勤講師 鷲津秀樹
対象 保険医協会会員の医師歯科医師 学校教諭、保育士、一般市民


愛知県小児科医会の会報に寄稿

愛知県小児科医会の第56回「子どもの健康を守る会」での講演の講師をする予定でしたが中止となった為、替わりに今年度の愛知県小児科医会の会報への寄稿を依頼され、それが配布されました。
鷲津代表の内容は「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」です。






豊田市の「こころの健康づくりニュースレター」を執筆

愛知県豊田市では毎年3月を「自殺対策強化月間」とし、春の自殺予防キャンペーンを実施しており、それにに向けて1月から3月の3か月間、月1回「こころの健康づくりニュースレター」を提供しています。その1月号「劣等感と劣等コンプレックスについて」、2月号「劣等感と劣等コンプレックスについて NO2」、3月号「新しい環境におけるメンタルヘルス」を当協会の鷲津理事が執筆しました。 (画像をクリックすると拡大して読めます)


小牧市の学校・カウンセラー連絡協議会の講演を務めました

小牧市小中学校の令和2年度学校・カウンセラー連絡協議会で「家族や学校でできるネット・スマホ・ゲームオ依存にならない方法」の講演を務めました。受講されたゲーム依存担当の先生方やスクールカウンセラーの皆様にとって少しでもお役に立てましたら幸いです。


あいち男女共同参画財団主催のHSPセミナーで講師を務めました

公益財団法人あいち男女共同参画財団主催のセミナー「もしかしてHSP(ひといちばい敏感な人)?」の講師を務めました。沢山の方からキャンセル待ちをいただくくらい参加応募が多かったのですが、新型コロナ対策で席の間隔を置かなければいけなかった為、多くの方の参加ご希望に応えられず申し訳ありませんでした。


ネット・ゲーム依存防止の取り組みが毎日新聞に紹介されました

毎日新聞の「論+(プラス)」で、当協会の「ネット・スマホ・ゲーム依存防止」の取り組みが紹介されました。(詳しくは左の写真をクリック)




「eスポーツ」についてのコメントが東京新聞に紹介されました

東京新聞の社会面で、「eスポーツ」についてのコメントが紹介されました。(詳しくは左の写真をクリック)







三重県保険医協会「スマホ依存の予防と対処法」市民講座


三重県保険医協会が市民講座を開かれ、講師を務めました。(三重県保険医協会とは、三重県下の医師、歯科医師で構成し、患者、国民の命と健康を守るために活動している団体で、一般市民を対象に医療情報を提供する市民公開講座です)




 

『弔活の準備、進め方』「女性自身」に掲載されました


週刊誌「女性自身」で、『弔活の準備、進め方』(親に不愉快にさせずに、終活を薦める言い方等)について当協会の鷲津が書いた記事が掲載されました(90P~)。





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