人間(来談者)中心療法 心理カウンセリング理論 心理カウンセラー養成講座 NPO日本次世代育成支援協会
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人間(来談者)中心療法 心理カウンセリング
日本のカウンセラーの大半が学び、そして実践しているカウンセリング法の『来談者中心療法(後の人間中心療法)』の創始者、ロジャーズは、カウンセラーにとって次の3つの基本的態度がもっとも重要であると考えました。
1.無条件の積極的関心
2.共感的理解
3.純粋あるいは自己一致
これらについて、簡単に説明しましょう。
まずは【無条件の積極的関心】です。
例えば貴方が誰かに関心を持つとき、そこには何か理由が有るのではないでしょうか。
『おもしろそうな人だな』とか『変わった格好している人だな』とか…。
朝、必死に自転車をこいでいる学生を見ると、『遅刻しそうなのかな?』と思いますし、地図を見ながらうろうろしている人を見ると、道がわからなくて困っているのかな』と考えます。
つまり、我々は『~~である場合』とか『~~だから』という【条件が有る】ときに関心を持つのです。
では、【条件無しに】関心を持つということは、どういう事なのでしょう。
実は、これを上手く説明している本は、あまりお目にかかったことがありません。
だからカウンセラーの養成講座を開いている専門学校などでも、軽く流しているところが多いようです。ちょっとおかしな話なのですが…。
さて、この『無条件』について、よく例えに使われるのが『あるがままに』という言葉です。
例えば、リンゴを見る時、「美味しそうだな~」とか「高価なのかな」とか「どういう種類なのかな」とか思わずに、【ただ】リンゴを見るということなのでしょう。
とっても難しそうですね…。
しかし、中には大胆な解釈をされる方もいます。
例えば、國分康孝氏は「人間に関心を持つときは、(人を研究する)人類学者のような心持ちで…」と言っておられます。
これはとってもわかりやすい例えですね。
『あるがままに人に関心を持つ』なんて言われても、一生かかっても出来ないかも…と思ってしまいがちですが、人類学者のような見方と言われると、少しはできそうな気がしますから。
価値観の違う人のことを「あるがまま理解しろ!」と言われても、なかなかできることでは有りませんが、「人類学者の気持ちになって理解しろ!」と言われたら、少しはロジャーズの言うポジションに近づけそうですよね。
次は、共感的理解についてです。
共感的理解とは、相手の感じ方で、相手の感じた度合いを理解する、という事です。
カウンセラーにとって、相手の気持ちを『理解』するのも大変なのですが、もう一つ大変なのは、その理解した事柄はカウンセラーの心の中で【落ち着いて受け止められる】ようじゃないといけないんですね。
ちょっとややこしいですね。例を挙げましょう。
『愛猫が死んだ悲しみ』で考えてみてください。
例えば、カウンセラーが、クライアントの『愛猫が死んだ悲しみ』を理解できたとします。
でも、そこでカウンセラーがクライアントと一緒にオロオロして泣き出していてはいけない…という事なのです。
つまり、カウンセラーは、クライアントの『悲しみ』を理解するだけではなく、その『悲しみ』はカウンセラーの心の中で【落ち着いて受け止められ】ないとダメなのです。
だって、カウンセラーがオロオロしていたら、クライアントは理解してもらって嬉しいかもしれませんが、【安心】はできないでしょ?
3つ目は、純粋あるいは自己一致です。
これは、簡単に言うと、カウンセラーは自分の気持ちに嘘をついてはいけない、ということです。
これも、よく『あるがまま』という言葉で表されます。
でも、何度も言いますが、この『あるがまま』って、本当に難しいことなんですね。
例えば、クライアントがカウンセラーに「貴方は人の心なんか全くわからない鈍感で頭の悪い人間だ! 詐欺師の方がずっと心がわかるしマトモだ!」と言ったとします。
さて、このカウンセラーは、いったいどのように『あるがまま』で答えたらいいでしょう?
こんな時、カウンセラーは相手の気持ちが『わかる』でしょうか?
これらを考えると、カウンセラーに要求されるレベルというのは非常に高いということがわかります。
ところが、人はカウンセラーでもない周囲の普通の人に、よく、こう言うんです。「僕の気持ちくらい、わかるだろ?」 って…。
難しいですよね。
でもこのロジャーズの原則を完璧に出来なくても、それはそれでしょうがないと思います。
ただ大事なのは、クライアントの気持ちを『一生懸命わかろう!』と思う心を持つことです。
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上手に聞くという事は?
さて、ロジャーズの唱えた来談者中心療法では、なんと言っても『聴き方』が重要なポイントとなります。 人と人との「思い」の伝達手段としては、 1 耳や口(音声)によるもの、つまり「話す」と「聞く」 2 目や手によるもの、「書く」と「読む」 が主なものとなります。 この中では、書くということが一番難しそうに思えますが、本当に一番難しいのは、実は『聞く』ということなんですね。 その理由として、『聞く』ことというのは自分の思うとおりにはできない、という事が挙げられます。 『書く』も『読む』も『話す』も、内容・時・場所を自分で選択する自由度が、『聞く』ということに比べて格段に高い行為です。 早い話が、『したい時にできる』んですね。 それに引き換え『聞く』という行為は自由度はかなり制限されます。 話し掛けられたらしょうがないから聞く時も多いですし、聞きたくない内容を聞かせられる事なんてしょっちゅうです。 つまり『書く』『読む』『話す』に比べると、『聞く』というのは、聞きたくない時や聞きたくない内容や聞きたくない場所で『聞かなくてはならない』ケースが多いのです。 だから、上手に聞くという事は自分の心をコントロールできる人でないとうまくできません。 このことは『書く』『読む』『話す』についてのノウハウ本は沢山出ているのに、【聞く技術】の本はあまり見かけない(最近は増えてきましたが)、ということにも表れています。 つまり、『聞く』ということは、小手先のノウハウや技術ではとても対応できない、ハイレベルな心やスキルが必要な大変な行為という事なんですね。 よく、口喧嘩したときなどに、「お互い言い出せばきりが無いから」って言葉をつかいます。 これは裏返して言うと、聞きたくない…という意味でしょう? だから、『言うのをお互い自粛しようね』ということになるわけです。 だから、ロジャーズの言うところの【傾聴】というのは、とても難しいんですね。 『こちら側の認知の枠組み(スキーマ)は棚に上げて、ひたすら聴く』んです。 しかも、相手の、その言葉が出てくる元となるところの『気持ち』の理解が必要です。 では、どのように聞けばいいのでしょうか。 まずは何といっても相手の【感情】に焦点を当てるのが大事です。 例えば相手が 「昨日、仕事の帰りに堤防沿いの道路を車で走っていたら、夕陽が川面に写っていて、思わず車を止めちゃった」 と言ったとしますね。 この場合、『思わず車を止めた』相手の感情に焦点を当てます。 だから、相槌を打つなら、『へえ~、感動しちゃったんだ』とか『わぁ~、奇麗だったんだねぇ』となります。 (そういう気持ちを込めて、「そうかぁ」でも構いません。 実はカウンセリングの際はこういう場合のほうが多いと思います。) カウンセラーは『相槌』を打つのが大事と言われます。 そして相手の言葉を繰り返す『オーム返し』をしなさい、と言われますが、なかなか上手く出来ないという人が多いのは、【相手の感情】に焦点を当てていないからです。 この例で言うと 「道路を車で走っていたら、思わず車を止めちゃったんですね」 というオーム返しがそうですね。 なんの為に相槌を打つのか、何のために繰り返すのか…。 【クライアントに、このカウンセラーは自分の気持ちを理解してくれている、と感じてもらう為 】です。 その目的をしっかり理解せずにオーム返しをしても、返って鬱陶しがられるだけです。 何といっても【理解】が大事なのです。 実際、ロジャーズのグロリアという女性に対してのカウンセリングをビデオで見ても、傾聴のテクニックなどよりも、とにかく真剣に理解しようとしている一貫したロジャーズの態度に感心してしまいます。 そして、その理解は本当にクライアントの心に添っているかどうかの確認(これを明確化)が、また見事なのですが…。 さて、カウンセリングというのは、クライアントの心が理解できてナンボです。 だから、例えば僕の場合で言うと、傍から見ているとクライアントの話の腰を折るような質問をする時があります。 だってクライアントが理路整然とわかりやすく話してくれるってことは、実際のカウンセリングの場面では少ないんですよね。 どんどん話が流れていく場合もあるんです。 そんな時、よく理解できないまま頷いていたりしたら、クライアントの話がしっかりと理解できなくなっちゃうことがあるんです。 でも、A→B→○→D→E と○の部分を飛ばして話が進んだからと言って、○のところがCとは限らない場合があります。 …というか、逆に認知の歪みが有る時に、よく○の部分が曖昧な話になる時も多いんです。 そういう時は、やはり確かめておきたいので、「ちょっと口を挟んで申し訳ないんですが、○○のところがよく理解できなかったんですけど」と聞き直したりするわけです。 ただ、認知療法のカウンセリングを行っている時だと、そこに認知の歪みやずれなどがあった場合はそこで立ち止まりますが、傾聴のカウンセリングの場合はそのポイントは頭の隅に置いたまま、クライアントの枠組みに立って聴き続けます。 例えて言うと、そこに完全主義的な考えとか、白か黒か(オール・オア・ナッシング)の考え方があったとしても、「そう考えざるを得ないクライアントの気持ち(枠組み)」に立って聴き続けるということですね。 ロジャーズが言いたかったのは、小手先の技術ではなく、相手の思いに自分を運ぶことだったのではないでしょうか。 Copyright(c) 合同会社ベルコスモ・カウンセリング _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ この内容はNPO法人日本次世代育成支援協会の心理カウンセラー養成講座の講師を担当している鷲津代表が、愛知大学OCでの講義で行った内容を元に書かれています。 著作権は出版をしている合同会社ベルコスモ・カウンセリングにあります。無断使用、複写、転載はできませんのでご注意ください。 ♪楽しく、役に立つ心理学やカウンセリング理論を学びませんか? 毎週火曜日(夜間)に名古屋で、月曜(午後)に一宮で、『心理カウンセラー講座』を開いています。 毎月1回の受講で集中的に学べる土曜集中講座(12回完結)や、同じく毎月1回日曜に行う初心者用ベーシック集中講座もございます。↓ https://npo-jisedai.org/kouza.htm 遠方の方にはWEBで受講できるリモート講座(毎月第2土曜の午前or午後 24回受講で修了 )も開設しました。↓ https://npo-jisedai.org/webkouza.html
小牧市社会福祉協議会でコミュニケーションの講演
6月24日に小牧市社会福祉協議会で、ボランティア活動に携わっておられる方々を対象に開かれた「ボランティア活動に役立つコミュニケーション心理学」セミナーの講師を務めました。愛知県小児科医会の会報に寄稿
今年3月に愛知県小児科医会の第56回「子どもの健康を守る会」での講演の講師をする予定でしたが、コロナで中止となった為、替わりに今年度の愛知県小児科医会の会報への寄稿を依頼され、それが配布されました。鷲津代表の内容は「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」です。
豊田市の「こころの健康づくりニュースレター」を執筆
愛知県豊田市では毎年3月を「自殺対策強化月間」とし、春の自殺予防キャンペーンを実施しており、それにに向けて、2021年1月から3月の3か月間、月1回「こころの健康づくりニュースレター」を提供しています。その1月号「劣等感と劣等コンプレックスについて」、2月号「劣等感と劣等コンプレックスについて NO2」、3月号「新しい環境におけるメンタルヘルス」を当協会の鷲津理事が執筆しました。 (画像をクリックすると拡大して読めます)小牧市の学校・カウンセラー連絡協議会の講演を務めました
2020年11月6日に小牧市小中学校の令和2年度学校・カウンセラー連絡協議会で「家族や学校でできるネット・スマホ・ゲームオ依存にならない方法」の講演を務めました。受講されたゲーム依存担当の先生方やスクールカウンセラーの皆様にとって少しでもお役に立てましたら幸いです。あいち男女共同参画財団主催のHSPセミナーで講師を務めました
2020年7月25日に公益財団法人あいち男女共同参画財団主催のセミナー「もしかしてHSP(ひといちばい敏感な人)?」の講師を務めました。沢山の方からキャンセル待ちをいただくくらい参加応募が多かったのですが、新型コロナ対策で席の間隔を置かなければいけなかった為、多くの方の参加ご希望に応えられず申し訳ありませんでした。ネット・ゲーム依存防止の取り組みが毎日新聞に紹介されました
2020年2月6日付毎日新聞の「論+(プラス)」で、当協会の「ネット・スマホ・ゲーム依存防止」の取り組みが紹介されました。(詳しくは左の写真をクリック)「eスポーツ」についてのコメントが東京新聞に紹介されました
2020年1月11日付東京新聞の社会面で、「eスポーツ」についてのコメントが紹介されました。(詳しくは左の写真をクリック)青少年育成大会で「スマホ依存の予防」の講師を務めました
2019年11月14日に、名古屋市緑区青少年育成区民大会で「ネット・スマホ・ゲーム依存の予防と対処」の講演を務め、沢山の区民の方々に依存症の怖さを知っていただきました。『弔活の準備、進め方』「女性自身」に掲載されました
9月10日発売の週刊誌「女性自身」(2019年9月24日号)で、『弔活の準備、進め方』(親に不愉快にさせずに、終活を薦める言い方等)について当協会の鷲津が書いた記事が掲載されました(90P~)。三重県保険医協会「スマホ依存の予防と対処法」市民講座
8月25日(日)に三重県保険医協会が市民講座を開かれ、そこでスマホ依存のお話をいたしました。(三重県保険医協会とは、三重県下の医師、歯科医師で構成し、患者、国民の命と健康を守るために活動している団体で、一般市民を対象に医療情報を提供する市民公開講座です。)入場無料
場所 アスト津 研修室A
時間 14:00~16:00
講師:鷲津秀樹(NPO日本次世代育成支援協会代表 名城大学非常勤講師)
詳しくはこちら⇒ https://npo-jisedai.org/20190825.pdf
名古屋市立小中学校PTA協議会のPTA新聞で掲載されました
ネット・ゲーム依存防止の取り組みが、名古屋市立小中学校PTA協議会が小中学校に配布するPTA新聞で紹介されました。http://pta-nagoya.jp/wp-content/themes/pta-theme/images/pdf/shinbun/440.pdf
ネット・ゲーム依存防止の取り組みが中日新聞に紹介されました
2019年7月13日付中日新聞夕刊の社会面で、「ネット・スマホ・ゲーム依存防止」の取り組みが紹介されました。岐阜県安八郡の学校保健会総会で講師を務めました
2019年6月27日に岐阜県安八郡教育委員会主催の学校保健会総会で、学校医、学校薬剤師、そして先生方対象に「ネット・スマホ・ゲーム依存の予防と対処」の講師を務めました。児童とスマホの問題についてお話しました
2019年4月3日に東海テレビ「スイッチ」で、幼児や児童にスマホを見せることについてお話しました。「パワーハラスメント予防研修」の講師を務めました
平成30年12月5日に小学館集英社プロダクションの「パワーハラスメント予防研修」の講師を務めました。スタッフのマネージメントに携わる方々に熱心に聴いていただきました。
福井県坂井市の「ネット依存防止セミナー」の講師を務めました
平成30年11月28日に福井県坂井市教育委員会主催の「ネット・スマホ依存防止セミナー」の講師を務めました。沢山の先生や教育に携わる方々に熱心に聴いていただき、また貴重な現場の情報をいただきました。
子どもたちの未来に少しでも貢献できましたら幸いです。
清州保健所の「自殺対策人材育成研修」の講師を務めました
平成30年10月4日(木)に愛知県県清州保健所の職員対象に「自殺対策人材育成研修」が開かれ、講師を務めました。パワハラ防止セミナー
2018年8月29日に愛知県一宮市消防局の「パワハラ防止セミナー」で、講師を勤めました。
中日新聞にネット依存のコメント掲載
2018年6月5日付け中日新聞朝刊の秋葉原殺傷事件の検証記事、「孤立 ネットの虚構におぼれ」において、当協会代表の鷲津が取材を受けた時のコメントが載っています。 (内容は左の記事の画像をクリックしてください)
和歌山県主催「ネット依存防止セミナー」
稲沢市広報に掲載されました
https://npo-jisedai.org/inazawa.pdf
名古屋テレビの報道番組「UP!」でコメントしました。
名古屋テレビの報道番組「UP!」で、ネット・スマホゲームの問題点についてお話しました。(2016.8.25)
名古屋市「保育リスクマネジメント研修」の講師を務めました。
名古屋市の約200名の保育士の方々に、保育リスクマネジメントのお話をさせていただきました。(2016.8.24)
碧南市広報に掲載されました
碧南市の医師会、歯科医師会、薬剤師会と行政が一体となった「碧南市健康を守る会」の総会で講演させていただいた内容が、碧南市の広報で紹介されました。https://npo-jisedai.org/hekinan.pdf
稲沢市広報に掲載されました
https://npo-jisedai.org/27inazawa.pdf