自己表現&自己主張(アサーション)、「嫌」と「ちょうだい」を言えない人へ。心理カウンセリング(電話・skypeも可)">
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自己表現&自己主張(アサーション)
自己表現や自己主張ということにおいては、大きく分けると3つのタイプが考えられます。 その3つというのは ・非主張的(ノン・アサーティブ)タイプ ・攻撃的(アグレッシブ)タイプ ・アサーティブタイプ となります。 ノン・アサーティブタイプとは「上手に自己表現ができない人」、そして攻撃的タイプというのは「自己中心」の思考で、他の人の立場や考えをあまり気に欠けない主張や表現が多い人、つまりこれも「上手に自己表現ができない人」となります。 そしてアサーティブタイプというのは、相手の立場(認知の枠組み)も考えて、自分の気持ちを表現する人ということなので、この話はどうやってアサーティブタイプになるんだ? というお話になるわけです。 さて、自分の気持ちや、言いたいことを言えないと悩んでおられる方は結構多いのですが、世間でよくあるのが「なぜ、言えないのだろうか」という原因探しや因果関係の究明に進んでしまうパターンです。 そしてアダルト・チルドレンだからとか、親子関係の話になると、これはもう、かなり長くかかるカウンセリングとなってしまいます。 そういう場合、考えなければいけないのは、確かに親の問題でとても辛い思い出がいっぱいあるにしても、「例えばここで親を100回非難すれば、自分は自己表現が上手くできるようになるか」ということなんですね。 例を挙げて考えてみましょう。 ここに、自分には非が無いにも拘わらず、何か言われると何も言えずすぐ謝ってしまうというAさんという人がいたとします。 この場合、「Aさんが子どもの頃、親が子ども(Aさん)の話も聞かず、そしてとにかく子どもが謝らないと怒りが収まらなくって、Aさんはいつもただ謝るしかなかった」という環境があったかもしれません(この場合、お母さんは実は『良い・悪い』ではなく、Aさんを『謝らせたくて怒っていた』ということになります)。 もちろんこれは、とても気の毒な話ですし、Aさんが親を恨むのも無理はありません。 ただ、これを行動分析で考えるとこうなります。 ------------ Aさんが今、自己表現ができない(ノン・アサーティブ)という問題は、【自分に非があるかどうかに拘わらず、とにかく『何も言わず謝る』という行動を取らないと先に進まない】ということを『学習』してしまい、それが『習慣』となってしまったということである。 ------------ だとすると、まずこの【自分に非があるかどうかに拘わらず、とにかく『何も言わず謝る』という行動を取らないと先に進まないのだ】というのは、合理的な考え方だろうか?(認知の歪みではないか?)というツッコミが要ります(ここは認知療法ですね。これについては後でもう少し詳しく書きます)。 そして、 カウンセラー「当時は確かにそうせざるを得なかったのだろうけど、今から未来においては『何も言わずに謝る』という行動より、『上手に自己表現できる』ようになった方がいいよね」 ↓ Aさん「もちろん、そうなりたいです」 という流れで【目標】が設定され、あとはスモールステップでアサーションを実践していくということですね。 (ここではカウンセラーは応用行動分析の立場となります。応用行動分析析を詳しく知りたい方は当協会の 応用行動分析析のページ https://npo-jisedai.org/aba.htmlをご覧ください)
何でも言っていいし、何でもやっていいとしたら?
ということで、いよいよアサーションについてお話を進めていくわけですが、基本的には人間同士は「言わないとわからない」ですし、「聞いてみないとわからない」のが普通です。 ただ、ここが問題となるのですが「言わないとわからない」のは確かなんだけど、人って「何を言わなきゃいけないのか」がわかっていない場合って本当に多いんです(…ということは、「聞いてみないとわからない」んだけど、相手も相手自身の言いたいことがしっかりわかっていないというケースも多いということなのですが)。 そこで、まずは「言いたいこと」について考えてみましょう。 さて、「言いたいことを言う」為には、「まずは、自分の本当の気持ちを知る」ことが重要になってきます。 そこで、アサーションのコンサルティングでは、いろいろな場面を想像してもらい、そしてクライアントにこの質問をすることにしています。 「その場面で、何でも言っていいし、何でもやっていいとしたら?」 これって、意外と殆どの人が考えたことがないみたいで、結構真剣に考えこまれることも多いんです。 交流分析という理論では、心は厳しい父親や優しい母親のような「親」の働きをしたり、「子ども」の働きをしたり、合理的な判断や計算をする、つまり損得を考えることができる「大人」の働きをしたりすると考え、その働きをするパーツを仮に図で表したら、心のことがよくわかるのではないかと下記のような図を設定しました。 なお、「親」は父親のような働きを【CP(批判的な親)】、母親のような働きを【NP(養育的な親)】の2つに分け、また「子ども」においても欲求の発生場所であり、自己中心な働きをする【FC(自由な子ども)】、見捨てられ不安などを持ち嫌われないよう気を遣う働きをする【AC(従順な子ども)】と、これも2つに分けました(「大人」の【A】はそのまま1つです)。 これの各パーツの機能をもう少し詳しく書いたのが下記の図です。 (交流分析を詳しく知りたい方は当協会の エゴグラムのページ https://npo-jisedai.org/ego.htmlをご覧ください) さて、先ほどの 「何でも言っていいし、何でもやっていいとしたら?」 という質問の答えは【FC】にあるんですね。 しかし、「こうあるべき」とか「こうではいけない」という【CP】が、いつも【FC】を抑え込んでいると、【FC】はその欲求を言語化できなくなっています。 考え込んでしまうというのは、そういうことなんですね。 もちろん、【CP】がいつも邪魔をしているとか、悪いヤツだとかいう話ではありません。 例えば「健康に気を付けるべきだ」とか、「赤信号は渡っていけない」という自分を戒めるものがないと、危なくてしょうがありません。 【CP】がなかったら、僕なんか一発でアルコール依存症になるに違いありません(楽しけりゃ酒を飲みたいし、悲しけれゃ酒で紛らわしたいし…)。 でも【CP】というのは子どもの頃の環境(親の言葉とか)にかなりの部分が影響されているんです。 つまり、その家の家訓と言い換えてもいいでしょう。 ということは、今のその人にピッタリと合ったルールや禁止だとは限らないわけですよね。好評発売中の「心の本」 「ハート・コンシャス」TA・認知療法・実存セラピー 」 鷲津秀樹著 (お求めはアマゾンで↑) この本は、このページの筆者が大学の講義(心理学)のテキストとしても使用していた、認知療法や交流分析をわかりやすく解説した図書です。
それを、損をしないように表現する!
だとするとそのルールは、その人に合った、また時代に合ったものに書き換えていく必要があります。 逆に言うと、書き換える必要がないものもあるはずですし、そのルールがあったからこそ良かったことだってあったという可能性も考えながら書き換える作業をする必要があります。 そこで、まずは 「何でも言っていいし、何でもやっていいとしたら?」 つまり、その人の望む未来に役立つ【欲求】を知ることが大事なんですね。 そして「それを、損をしないように表現」すればよいのです。 その「損をしないように表現する」為には、合理的に、且つ冷静に判断できる【大人(A)】に活躍してもらわなければいけません。 (なお、一般的には「【A】の元に【P】や【C】を従わせろ」【A】を自我状態のトップにするようにと言われています。ただ、精神分析学者の岸田秀氏はフロイトの心的構造において、現実原則の「エゴ」で欲求の「エス」をコントロールしろと言われているが、要は「エス」の目的達成の為に「エゴ」があるのではないかと述べられています。僕はその考えに近いので、ここでは【FC】を主役として考えています)。 いくら「何でも言っていいし、何でもやっていいとしたら?」と言われても、法律に反することをやれば、結局はすごく損をすることになりますし、人間というのは一人で生きていくことは大抵できないので、相互関係を考えずに行動したら却って欲求の実現は遠ざかります。 だから、そこを【A】の判断力や思考力で「上手に」やる必要があるわけです。 ところで、【FC】が素直に欲求を表せないということについて、【CP】が【FC】を抑え込んでいると書きましたが、もう一つ【AC】の問題があります。欲求を言語化できいのは次のような理由が考えられます。 1.波風を立てたくない 2.嫌われたくない 3.自信がない 4.言えない環境に育った この1~3については、見捨てられ不安や嫌われ利己とへの怖れを感じる【AC】の問題があるんです。 それは4に書かれているように、環境によって【AC】が或る意味鍛えられてしまったとも言えるでしょう。 だとしたらその人のせいではないんだし、しょうがないとも言えます。 ただ、こんな風にも考えられますよね。 波風を立てたくない ⇒こちらが引けばよいというものではない 嫌われたくない ⇒嫌われないにこしたことはない 自信がない ⇒言わないから自信を持てない 言えない環境に育った ⇒そうかもしれないが、今は違う
理解する力と伝える力と上手に伝える力
さて、まとめに入ります。 大事なのはやはり、「相手の気持ちを理解する力と、自分の思いを上手に伝える力」です。 相手の気持ちを理解するのに一番良い方法は「聴く」ことです。 ところがこれが超難しい… 脳は、自分が聞きたいことしか聞かないようになっています。 だから、人は自分のために話を聞いている でも、大事なのは ・相手が話したいことを聴く ・相手のために話を聴く ということなのです。 そこでまずは、下記の会話を考えてみましょう。 これが普通の会話です。 しかし相談された方は元気づけようとして答えているのですが、この場合は悩んでいる方はそうは受け取らない場合が多いんですね。 逆に、ネガティヴになっている時は下記のように聞こえてしまうこともよくあるのです。 だからこういう場合、「相手のために話を聴く」のならば下記のようになるわけです。 さて、「聴く」ことはこのように簡単ではありませんが、まずは「頷く」ことから始めましょう なんと言っても、とにかく頷くのが一番大事です。 コミュニケーションが上手な人は、やっぱり頷くのがとても上手です。 頷くタイミングがいいし、小さく頷いたり、大きく頷いたりと、バリエーションが豊富です。 これが出来たら、会話は飛躍的に広がったり発展したりします。 じゃあ、その練習はどうしたらいいのか…。 練習方法としては、上手に頷く人を見つけ、それを真似するのが一番でしょうね。「YOUメッセージ」と「I メッセージ」
コーチングのセミナーなどで、「YOUメッセージ」を「I メッセージ」に変えようという言葉を聞いたことがありませんか? 例えば 「(オマエは)静かにするべきだ」 というのを 「(ワタシは)静かにしてほしい 」 に変えるということです。 これは「あなたがうるさい」のをわたしが「静かにするべき」とコントロールして行動を変容させるという手を使うのではなく、わたしの「願い」を表すということですよね。 なぜ、こうしたらいいのか…。 これについては、一般的には下記のように説明されています。 「相手は相手の都合や認知の枠組みがあるので、それをコントロールするのは難しいし、逆にこちらがどのように考えるかは自由なので、相手を変えようせずにこちらの気持ちを伝えましょう」と。 確かに、その通りです。 でもここではせっかくだから、もう少し掘り下げてお話しましょう。 「(オマエは)静かにするべきだ」 というのを 「(ワタシは)静かにしてほしい 」 に変えるということは、英語であらわすと「You should」を「I wish」にするということになりますよね。 でも「should」や「must」を使うと、和やかなコミュニケーションスタイルとは言えず、角が立つことが多くなりがちです。 論理療法でも、「~べき主義」はやめた方がよいと言っています。 「I wish」にしたほうが良い。 そうなんです。わかっている人も多いんです。 でも、これが結構難しいんですね(「わかっちゃいるけど」というヤツです)。 どうしてか。 下図をご覧ください。 「(オマエは)うるさいなぁ。静かにするべきだ」というのは【CP(批判的な親)】から【AC(従順な子ども)】に向けたメッセージです。 上から下へ矢印が向かっていますよね。 では「(ワタシは)静かにしてほしい 」というのはどうなのでしょうか。 そうです。欲求の【FC】、若しくはうるさいのを我慢していて、我慢しきれくなった【AC】から、【A(大人)】や【P(親)】への「お願い」の場合が多いんです。 つまり、お願いというのは下から上に矢印が向くメッセージとなります。 この場合、「うるさくしてる相手」、言い換えると「悪い相手」に負けた気がしちゃうんですね。 だから我々はついつい「You should」で言っちゃうんです。 これはどういうことかというと、逆説的な話になってしまうのですが、「I wish」は「ゆとり」がないとなかなかできないということなんです。 言い換えると、アサーションは「ゆとり」ということも考えてやらないと、なかなか上手くいかないんですね。 なお、最後になりますが「非言語的アサーション」も大事です。 例えば ・声の大きさや抑揚 ・視線 ・態度(姿勢、ジェスチャー) ・服装 などがそうですね。 最後に。いくら親しい人でも「察してほしい」ばかりではやはり無理が出てきます。
血の繋がった親子でも言わなきゃわからないし、同じ環境で育った兄弟でも聞かなきゃわからないことはいくらでもあります。
やっぱり大事なのは「上手に聞く」ことと「上手に表現する」こととなります。
この内容が少しでも皆様のお役に立ったら幸いです。
Copyright(c) 合同会社ベルコスモ・カウンセリング
好評発売中の「心の本」 「ハートの免疫力UP!」認知療法と解決志向アプローチ 鷲津秀樹著 (お求めはアマゾンで↑) この本は、このページの筆者が大学の講義(心理学)のテキストとしても使用していた、認知療法や解決思考アプローチをわかりやすく解説した図書です。
アサーションも学べるカウンセラー養成講座はこちら↓ https://npo-jisedai.org/kouza.htm お役に立てる心理学の本です。↓
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この内容はNPO日本次世代育成支援協会の鷲津が、愛知大学OCでの講義の内容を元に書いております。
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♪楽しく、役に立つ心理学やカウンセリング理論を学びませんか?
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第34回 子どもの健康を考えるつどい
愛知県保険医協会主催の「第34回 子どもの健康を考えるつどい」で、講師を務めました。テーマ「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」
対象 保険医協会会員の医師歯科医師 学校教諭、保育士、一般市民
小牧市社会福祉協議会でコミュニケーションの講演
6月24日に小牧市社会福祉協議会で、ボランティア活動に携わっておられる方々を対象に開かれた「ボランティア活動に役立つコミュニケーション心理学」セミナーの講師を務めました。愛知県小児科医会の会報に寄稿
今年3月に愛知県小児科医会の第56回「子どもの健康を守る会」での講演の講師をする予定でしたが、コロナで中止となった為、替わりに今年度の愛知県小児科医会の会報への寄稿を依頼され、それが配布されました。鷲津代表の内容は「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」です。
豊田市の「こころの健康づくりニュースレター」を執筆
愛知県豊田市では毎年3月を「自殺対策強化月間」とし、春の自殺予防キャンペーンを実施しており、それにに向けて、2021年1月から3月の3か月間、月1回「こころの健康づくりニュースレター」を提供しています。その1月号「劣等感と劣等コンプレックスについて」、2月号「劣等感と劣等コンプレックスについて NO2」、3月号「新しい環境におけるメンタルヘルス」を当協会の鷲津理事が執筆しました。 (画像をクリックすると拡大して読めます)小牧市の学校・カウンセラー連絡協議会の講演を務めました
2020年11月6日に小牧市小中学校の令和2年度学校・カウンセラー連絡協議会で「家族や学校でできるネット・スマホ・ゲームオ依存にならない方法」の講演を務めました。受講されたゲーム依存担当の先生方やスクールカウンセラーの皆様にとって少しでもお役に立てましたら幸いです。中日新聞にネット依存のコメント掲載
2018年6月5日付け中日新聞朝刊の秋葉原殺傷事件の検証記事、「孤立 ネットの虚構におぼれ」において、ベルコスモ・カウンセリング代表の鷲津が取材を受けた時のコメントが載っています。 (内容は左の記事の画像をクリックしてください)和歌山県主催のネット依存防止セミナーの講師を務めました
https://npo-jisedai.org/2018wakayama.pdf
稲沢市広報に掲載されました
https://npo-jisedai.org/inazawa.pdf
名古屋テレビの報道番組「UP!」でコメントしました。
名古屋テレビの報道番組「UP!」で、ネット・スマホゲームの問題点についてお話しました。(2016.8.25)
名古屋市「保育リスクマネジメント研修」の講師を務めました。
名古屋市の約200名の保育士の方々に、保育リスクマネジメントのお話をさせていただきました。(2016.8.24)
碧南市広報に掲載されました。
碧南市の医師会、歯科医師会、薬剤師会と行政が一体となった「碧南市健康を守る会」の総会で、代表の鷲津秀樹が講演させていただいた内容が、碧南市の広報で紹介されました。https://npo-jisedai.org/hekinan.pdf
稲沢市広報に掲載されました
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