どう生きるか 実存分析(フランクル) 人生の意味
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どう生きるか 実存分析(フランクル)
最近はあまり聞かれなくなりましたが、一昔前に流行った言葉が「自分探しの旅」です。
でも最近でも、大学でアイデンティテイの講義をしたあと、学生の提出レポートの中にもこの「自分探し」という言葉は有ったので、「旅」に出るまではしないけど、考えている人は少なくないのでしょうね。
ところで最近は子どもの自殺が年々増えていますが、フランクルという精神科医は自殺の理由について4つ挙げました。
・身体状態の結果
・周囲の人たちへの効果を計算
(自分を苦しめた人への復讐)
・生きることに疲れた
・生きる意味がまったく信じられない(決算自殺)
この4つ目の「生きる意味がまったく信じられない」についてですが、この悩みを持つ人の低年齢化が気になります。
僕は小中学校に講演を頼まれることがよくあるのですが、その際先生方から、児童や生徒から「自分は何の為に生きているのかわからない」とか、「自分は何の役にも立ててない」という言葉をよく聞くようになったという相談を受けることが多くなってきたんですね。
それも以前なら小学4年生くらいから上の年代だったのが、最近は2年生でもそれを言う子が出始めているそうです。
ひょっとしたら、子どもの自殺が増えているというのは、こういうこととも関係が有るのかもしれませんね。
さて、フランクルは「どうせ死ぬんだから人生は無意味じゃないか?」という問いに、こう答えました。
「もし不死だったら、私たちは何でもできただろう。
しかし何もかも後回しにすることもできただろう」と。
つまりフランクルは、「人はいつかは死ぬからこそ、なにかをやろうと思う」のだと考えたのです。
この言葉ってどこかで聞いたような気がしませんか?
そう。故松本零士先生の『銀河鉄道999』の中心となっていたテーマです。
永遠の命を求めて旅に出た鉄郎も、フランクルの言うように「長生きしただけでは、意味のある人生にはならない」ということに気が付きましたが…。
自分の人生に対しての責任
ところでフランクルは、『責任』ということも重く考えました。
彼は『それでも人生にイエスと言う』という著書の中でこう述べています。
「それが可能なら運命を変える
それが不可避なら進んで運命を引き受ける」
「変える」責任と「引き受ける」責任…。
厳しいですね。
そして、その責任ということから、彼は自分の『人生』への責任についても述べていて、それがこの有名な言葉です。
「あなたが人生の意味を問うのではなく、
『人生』があなたに意味を問いかけている」
実は、僕はこの言葉が長い間ピンと来なかったんです。
でも最近は、こういうことなんじゃないかなと自分なりに考えています。
まず『期待』ということについて考えてみましょうか。
よく「期待してるよ!」とかいう言葉を我々は使っていますよね。
会社で上司が部下に言ったり、学校で先生が生徒に言ったり、家庭で親が子どもに言ったり妻が夫に言ったり…。
そして期待されて嬉しく感じる人もいれば、プレッシャーを感じる人もいます。
では下図をご覧ください。『期待』を少し掘り下げて考えてるとこうなります。
この図は例えば会社において、部下が上司に期待された場合、『期待される側の人』のメリットとデメリットとリスク、そして『期待する側の人』のメリットとデメリットとリスクの例を考え、表にしたものです。
こうやって考えると、期待されたからといって喜んでばかりいるのもどうなんだという気もしますよね。
さて次の図2はもっと問題です。
この場合は、部下が頑張って期待に応えた場合、上司はメリットを受けますが、もし期待に応えられなかった場合は部下に対して何のフォローもしていませんよね。
こうやって考えると、期待とは次の3つのパターンが考えられます。
・自分の幸せの為に、相手に期待する
・自分と相手の幸せの為に、相手に期待する
・相手の幸せの為に相手に、期待する
となると図2の場合の『期待する』というのは、『自分にメリットがあるようなことを相手に望む』ということになります。
だとしたら、これって『期待した者勝ち』じゃないですか。
この場合においては『期待される』ということは、基本的には【迷惑】なことなんですよね。
『期待』が悩みを引き起こすということは、よくある話なんです。
ちょっといじわるな話をしてしまいましたか?
もちろん、3のように中には自分のメリットなんておかまいなしに、相手の未来のHAPPYを真剣に願って期待してくれる人もいます。
でも、子どもの頃に親からプラスのストロークをあまり受けていない人は、『期待される』ということをまるで『プラスのストロークを受ける』ということと勘違いし、ひたすら頑張って結局損をしてつらい思いをするというパターンに陥ることがよくあるんですよ(カウンセリングをしていると、しょっちゅうそんな話が出てきます)。
『天』があなたに、人生の意味を問いかけている
ということで、いよいよ締めに入ります。
フランクルの言葉「『人生』があなたに意味を問いかけている」という、この『人生』というのを『天』に変えてみたらどうでしょうか。
「『天』があなたに、あなたの人生の意味を問いかけている」
つまり、『天』があなたに期待し、あなたは『天』に責任を持つということになります。
なんといっても『天』ですから、図2のような『期待』はしないでしょう。
「相手の幸せの為に相手に、期待する」というパターンだと思います。
そして我々は、その期待に応えてHAPPYになる『責任』があるということです。
さてフランクルは他にもいろいろと重要なことを述べていますが、その中でも僕が好きな言葉を紹介させてください。
「因果関係にばかりとらわれず、貴方を待っているモノに気付いてください」
「大事なのは、未来で貴方を待っているモノ
貴方に発見されるのを待っているモノ
そして貴方によって表されるのを待っているモノ」
「誰かの子どもとして生まれたのではなく、一人の人間として自分の道を歩く為に生まれてきた」
Copyright(c) 合同会社ベルコスモ・カウンセリング 鷲津秀樹
イラスト出展 「イラストAC」
好評発売中の「心の本」

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大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナー

第34回 子どもの健康を考えるつどい

テーマ「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」
愛知県小児科医会の会報に寄稿

鷲津代表の内容は「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」です。
豊田市の「こころの健康づくりニュースレター」を執筆
愛知県豊田市では毎年3月を「自殺対策強化月間」とし、春の自殺予防キャンペーンを実施しており、それにに向けて1月から3月の3か月間、月1回「こころの健康づくりニュースレター」を提供しています。その1月号「劣等感と劣等コンプレックスについて」、2月号「劣等感と劣等コンプレックスについて NO2」、3月号「新しい環境におけるメンタルヘルス」を当協会の鷲津理事が執筆しました。 (画像をクリックすると拡大して読めます)
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