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不登校


不登校と言っても、いろいろなパターンがあります。

例えば学校に行きたくないというケースでも、いじめとか理由がはっきりしている場合もあれば、友達と上手くいかないというレベルの場合、また先生と上手くいかないというケースもあれば、勉強についていけないというケースもあります。

また、家庭内の問題が影響を与えている場合もあります。
親がいつも家にいないというケースもあれば、DVやネグレクトが問題のケースもあります。

中には自閉スペクトラム症(アスペルガー)ADHD学習障碍などの、本人の発達障碍の特性が不登校の要因となった場合もあります。

そして最近多いのは、ネット・スマホ・ゲーム依存による不登校です。

もちろん、いろいろな要因が重なって不登校となっているのではないかというケースも珍しくはありません。

したがって、本来はその子どものパターンに応じて対応しないといけないのですが、ここでは不登校の全体の流れとして考えていきます。

学校、または家庭において、何かの不安が発生
  (但し本人が気付かない場合もある)
   ↓
一次反応としての不登校が、まず表れる
   ↓
ここで、不登校に対しての罪悪感や、家族の心配や励まし、叱責などによって、学校への不安との葛藤が生じる
   ↓
これにより不安が増大し、腹痛・耳鳴り・頭痛などの身体症状が出てきたり、強迫神経症や不安神経症などの諸症状が表れてきたりする

   ↓
家にスマホやタブレット、パソコン等でネット(SNS、ユーチューブ、ゲーム等)ができる環境の場合、それにのめり込む。

年少者の場合

小学校低学年までの子どもが、登校時に母親にしがみついて離れない、などの行動をとって、学校(幼稚園や保育園)に行くのを嫌がる場合があります。
これは分離不安と呼ばれており、強度のときは問題が発生します。

この分離不安が起こりやすいケースとしては、過保護と呼ばれる状態が多いのですが、その場合の中でも母親が家庭内において夫や姑など人間関係においてうまくいっておらず、その反動として「子どもが全て」となっている場合は要注意です。

また、母親が実は子供をそんなに好きではなく、それを子どもが察して母親の心を引きとめようとして行動に表れるケースもあります。

このように何らかの原因が隠されているときは、無理やり登校させると取り合えず子どもは従いますが、後々に影響が出てくる恐れがあります。

また子どもは、親の心理にとても敏感です。
親が子どものことを「自分の自由などを邪魔する存在」とか、「自分ができなかった事を自分の替わりにする存在(自分がコンプレックスを持っていたり、高学歴に憧れていたり、世間体などから子どもを有名校に入れる等)」という想いが無意識に存在していたら、それは、まず無意識のうちに子どもの心に伝わっている恐れが有ります。

もしそういうケースとなると、子どもの心に疑いや傷を残します。


さて、自分が子どもだった頃を思い出してください。
「子どもだから、わからないだろう」 と、無神経に話す大人たちの「汚い会話(子ども心にとっては)」を耳にしたことは有りませんか?

子どもはそんな時、とても気を使って「子どもだからわかんない…」という無邪気な表情を装います。
もし、何かの拍子に、『親は自分のことを厄介者と思っている』と子どもが不安を抱いたら、それはとても重大なことですし、傷の回復には将来にわたって長い時間がかかります。

「冗談だった」ではすまされないのです。


さて、チックといわれる症状(目をさかんにまばたきさせたり、首をふったり、奇声を発したりする)が表れたりした場合は、脳の病気のケースもあるので早めに専門家に相談したほうがよいでしょう。



中学生から高校生にかけて

この頃が一番問題が起きやすい頃です(特に中学2年前後)。

まず次のような前兆が現れてきます。

朝、身体的不調を訴える(頭が痛い お腹が痛い 微熱がある)。

それが進むと、過敏性腸症候群やめまいなどの自律神経失調症の症状が出てきたりします。

生活も夜型となり、明け方までゲームやネットなどをして、朝起きるのが苦痛となってきます。

ところで、こで問題となるのは「不登校」と、その後のひきこもりとの関係性です。
これについては、文科省「不登校生徒に関する追跡調査研究会」が平成26年に出した研究結果において、その相関関係が表れています。

平成18 年度に中学校3年生に在籍していた者で、不登校として計上された者(年間30日以上欠席した者)が、5年後に就業していない率は43.8%で、そのうち何らかの学校に就学している者が46.7%。

ということは中学の時に不登校経験者の約2割は、20歳の段階で学校も行かず働いてもいないということになります。

そして働いている者も「パート・アルバイト」として勤めている者の比率が32.2%で最も多く、次いで「正社員」が9.3%となっていることを鑑みれば、喩え就業していてもシビアな状況の人が多いということは想像できます。



不登校とネット・スマホ・ゲーム依存

急増しているネット・スマホ・ゲーム依存症ですが、最近の特徴としては、不登校となりゲームやネット・スマホ依存になる場合よりも、ゲームやネット・スマホ依存になった為に不登校になるというケースが非常増えています。

ちなみに厚生労働省の研究班の調査では、93万人の中高生がネット依存であるとの報告がなされました。
これは中高生の約7人に1人がネット依存症ということになり、5年前の倍となりました。

ちなみにこの調査で使われた質問項目は下記の通りで、これに5つ以上当てはまると【病的な使用】としています。

・ネットに夢中になっていると感じる
・予定よりも長時間使用する
・制限しようとしてうまくいかなかったことがある
・トラブルや嫌な気持ちから逃げるために使用する
・使用しないと落ち着かない、いらいらする
・熱中を隠すため、家族らにうそをついたことがある
・使用時間がだんだん長くなる
・ネットのせいで人間関係などを台無しにした、しそうになった


出典 厚生労働省研究班(2017年度)

また、アメリカ精神医学会の診断基準である DSM-5で提案された『インターネットゲーム障害』の診断基準案を北海道立精神保健福祉センターが訳したものでは、このようになったそうです。

12か月の間に以下の内5項目あるいはそれ以上が当てはまるとインターネットゲーム障害

・インターネットゲームに夢中になっている。(前回のゲームのことを考えたり,次のゲームを待ち望んだりして、インターネットゲームが日常生活の主要な活動となる)

・インターネットゲームが取り上げられたとき離脱症候群を起こす。(典型的な症状は,いらいら・落ち着きのなさ,不安・心苦しさ,嘆き・悲しみといったもので,薬理学的な離脱による身体症状は認められない)

・耐性-インターネットゲームに参加する時間が増えていく必要性

・インターネットゲームヘの参加をコントロールしようとする試みが成功しない

・インターネットゲームの結果として,インターネットゲーム以外の趣味や楽しみへの関心がなくなる

・心理社会的な問題があると分かっていても,インターネットゲームを継続してやり過ぎてしまう

・インターネットゲームの使用量について,家族やセラピストその他の人たちにうそをついたことがある

・否定的な感情(無力感,罪悪感,不安など)から逃げるため,あるいはまぎらわすためにインターネットゲームを利用する

・インターネットゲームによって,大切な人間関係,職業,教育あるいは経歴を積む機会が危うくなったり,失ったりしたことがある』

つまりこれに当てはまると、精神疾患(精神病)になるということです。
そもそも依存症というのは、慢性で進行性のある病気なんですね。
しかも厄介なことに依存症というのは『否認の病気』と呼ばれているくらい、本人や周囲が病気であることを自覚していない場合が多いのです。
また依存症というのは、ネット・スマホ・ゲーム依存に限らず、意志の強さとか、叱ったりとかでは何ともならなくなってしまうものだということを頭に入れておく必要があります。

たかがネットやスマホやゲームと思っている人も多いのですが、中にはそれによって不登校になり、最悪の場合は中高年のひきこもりになって人生が狂うケースだってあり得るのです。

そこまでいかなくても、電車の中で、少し詰めればもう少し立っている人が座れるだろうという状況でも、気が付かずスマホに夢中になっている人が本当に増えましたが、そういうことだってその人の評価を下げるには十分です。

とは言え、それでもなかなかこの問題に関心を持ってくれない人が多いのも事実ですが…。



ネット・スマホ・ゲーム依存症について、詳しくは下記をご参照ください。

ネット・スマホ依存症 https://npo-jisedai.org/izonshou.html
ゲーム依存症 https://npo-jisedai.org/game.html

また、回避依存タイプ(逃げる、先送りする、向き合わない)とも多く重なります。
参照⇒回避性性格 https://npo-jisedai.org/kaihi.html


不登校と子どもの「うつ」

不登校の悩みと共に、『うつが疑われるお子さん』の問題で相談に来られる方が増えています。 少し古いデータですが、北海道大学(傳田健三博士)による約2万人の小中学生に対する調査では、小学生1.6%、中学生4.6% トータルで2.6%がうつ病と推定されています。
また、北海道大学の研究チームの小中学生3300人を対象とした調査では、小学生の8%、中学生の23%に抑うつ症状が確認されました。

なお、日本では、小学生のうつ病による自殺は2008年で9人 というデータがありますが、アメリカのように増えていく可能性は高いのではないかと言われています。

うつ病は再発性が高いので、早めの対処と継続したケアが大事です。
なお、下記は大人のうつ病の診断基準をもとに作った『簡易版子どもの抑うつ傾向診断表』です。気になる方は試してみてください」



簡易版 子どもの抑うつ傾向診断表
(Copyright(c)2016 合同会社ベルコスモ・カウンセリング)

1カ月以上続いているものに○をつけてください。


1.落ち込んでいる気分の状態が多い

2.楽しいと思うことや面白いと思うことが殆どない

3.誰に対しても、話すのが億劫だ

4.自分がダメな気がしてあせる感じがよくある

5.いつも疲れている気分がする 元気がでない

6.なにか問題があると自分のせいだと思ってしまう

7.考えがまとまらない 物事を決められない

8.あまり食べたいと思わなくなった

9.よく眠れない、あるいはあまりにも寝すぎる

10.成長過程なのに体重があまり増えない

11.生きているのが面倒くさい

1番から10番までは○を1点、11番は○を2点として合計点を出してください。
合計で6点以上の場合は抑うつ傾向があるので、児童精神科のお医者さんに相談しましょう。

ところで、小児うつ病の診断基準として、A・ワインバーグらは次のような項目を挙げています。
・子どもが不幸な気分と自己を過小評価する傾向の両方。
・次のうちの2つ以上の症状
 1 攻撃的行動
 2 睡眠障害
 3 人と交わることへの欲求の減少
 4 学校への態度の変化
 5 学業成績の低下
 6 身体的な訴え
 7 いつもの活気の消失
 8 異常な食欲あるいは体重の変化

これらの症状はいつもと違っていて、少なくとも1カ月以上続いていなくてはならないという条件がついていますが、確かに注意が必要な項目ばかりですね。
他にも
・欲しいものがあまりない(減った)
・動作がのろのろするようになった
・身だしなみが雑になった
・夜は元気があるのに午前中は気力が無い(日内変動)
などが注意点です。

この注意点は、不登校とも重なる部分が非常に多く、またネット・スマホ・依存症に陥ってしまう子どものパターン徴とも、一致する箇所が多く見られます。

子供が不登校となった時に注意すべき点


1 一般の大人の常識に捕らわれすぎた、性急な働きかけ
2 親や教師の無神経な言葉(「仮病」「なまけ」「厄介者」等)
3 安易な転居や転校
  (いじめの場合は別として、それで解決する場合は意外に少ない)
4 登校するよう命令や嘆願、モノや金銭による取引はしない
5 こもりがちになり、部屋が乱雑になっても口うるさく言わない。
  いない時に勝手に部屋を整理整頓するなどもってのほか




不登校となった時の対処法


1 まず、子供の不適応行動の裏に隠された「訴えたいこと」は何かを考える
2 親ができるだけ鷹揚に考える
  (例えば、風呂に1カ月入らなくっても死ぬわけじゃないし…等)
3 とにかく子供の話を一生懸命聴く
  例え間違った事を言っていても最後まで聴く
4 原因をしつこく探りたがるのは返ってよくない
  (どうして行きたくないの? いじめられるの? 先生が嫌いなの?等)

なお、不登校とは「行くのがイヤ!」と明確に子ども自身がわかっている場合は原因も比較的わかりやすいのですが、当人が「行きたくない」とは感じていないように見える場合があります。
(もっとも深層では「行きたくない」という部分は当然あるのでしょうが)

この場合は「行きたくない」のではなく「行けない」のですから、対応はかなり慎重にしなくてはなりません。

とにかく大事なのは、兆候が出たら父親は母親にまかせきりはやめる事。
お互いに責任のぶつけ合いはしない。
そして、「学校は絶対行かねばならない」考えで頭が一杯でしたら、「学校は行くにこしたことはない」という考え方も世の中にはあることを知ってほしいのです。


なお、ネット・スマホ・ゲーム依存から不登校になりかけている時は、逆に鷹揚に構えていないで早期発見、早期対処が必要です。
「そのうち気付いてやめてくれるだろう」などという考えが、自体を非常に深刻にしてしまう例が後を絶ちません。
上記に書きましたが、ネット・スマホ・ゲーム依存症は慢性の進行性の精神疾患(精神病)で、ゲーム依存症はWHO(世界保健機構)が認定している病気です。

あるレベルを超えると対処が非常に難しくなりますので、楽観的観測や先延ばしなどの回避はせずに、応用行動分析などで対応できる専門家に相談することをお勧めします。


カウンセリングとしては、認知行動療法や短期療法(家族療法)がかなりの効果をあげることが実証されています。
また、親が認知行動療法を受けると効果が出る場合も多いので、試してみる価値はあります。

認知療法⇒ https://bellcosmo.net/ninchi.html

応用行動分析(ABA)⇒ https://npo-jisedai.org/aba.html
また、お子さんの不登校の相談のケースの中には、実はお子さんが発達障碍の傾向があるのではないかと疑われる場合が、かなりあります。
その場合は発達障碍に詳しいカウンセラーに相談しないと、却ってどんどん悪化していく場合がありますのでご注意ください。

ADHDはこちらを参照⇒https://npo-jisedai.org/ADHD.html
アスペルガーはこちらを参照⇒https://npo-jisedai.org/aspe.html


お母さんがアダルト・チルドレンやHSPの為、子どもが神経質になっている場合もあります。

アダルト・チルドレンはこちらを参照⇒https://npo-jisedai.org/ac.html
HSPはこちらを参照⇒https://npo-jisedai.org/hsp.html



カウンセラーを目指しておられる方に、名古屋と一宮で「カウンセラー養成講座」を開設しました。

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お問合せ 愛知大学(豊橋)オープンカレッジ事務局迄 0532-47-4528


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Copyright(c)2013 NPO日本次世代育成支援協会



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