マスク依存症候群とは マスク依存症候群テスト マスクをはずせない、コンプレックス、対人不安、視線恐怖、醜形恐怖 カウンセリング

マスク依存症候群~対人不安~
2020年に新型コロナが流行りだし、それから約4年ほど誰もがマスクを着けている時代となりました。

マスク依存症候群とは、そのようなマスク無しで素顔で人前に出ることに抵抗を覚える症状を指します。
もっとも、素顔にコンプレックスを持つタイプ、口周りを晒すことにより表情や感情表出に不安を持つタイプなど、パターンはいろいろとありますが、他の人のマスクを着けているときとはずした時の見た目のギャップを見て、それを他人から見た自分に当てはめて不安を感じたというのが、きっかけとなることが多いようです。
このギャップについては、こういうことなんです。
人間は相手がマスクをしていて顔の下半分が隠れていた時、その見えないところをイメージでカバーしているんですね。
しかしそのイメージの基準は、メディア(タレント・モデル)とかの情報を普段からよく目にしているため、高めに設定されていることが多いのです。
つまり理想に近いイメージを勝手に作っちゃうということになるので、それで「あれ?」とギャップを感じるワケですね。
また口を開けた時の大きさや顎(骨格)は、眼に比べると化粧で変えにくいというのもあるかもしれません。
しかも元々日本人は視線恐怖症が他の国の人たちよりも多く、周囲の目を気にすることが多い為、新型コロナが出現する以前からマスクをする人が多かったですし、また花粉症でマスク着用の人も多かった為、コロナ禍では日本人の殆どがマスクをしている姿が海外でもニュースになっていました。

また今でも接客業や飲食店等では、「マスクをしていないことへの批判」を警戒してマスク着用が続いていることも多いので、或る意味特段変わってる人に見えないというのも、マスク依存しよう紅軍から抜け出せなくなっている理由の一つでしょう。
、視線恐怖、醜形恐怖
視線恐怖は社交不安症の一種です。
なお社交不安症とはれっきとした精神障害の1つで、精神障害の診断基準「DSM-5」では、他の人から注目を受ける可能性がある社交場面において、6カ月以上の持続的な恐怖または不安が明らかにあることとされています。
ちなみに「持続的な恐怖」というのは、屈辱を感じたり、恥をかいたり、拒否されたり、他の人の気分を害したりするのではないかという怖さのことで、
・そういう状況を意図的に回避していること。
・またその恐怖や不安が現実的な恐れと釣り合わないこと。
などが社交不安症の条件となっています。
そして醜形恐怖(身体醜形障害)は社交不安症とはまた別に、DSM-5では強迫症関連障害群に分類されており、自分の容姿に過度にこだわり、他人からはほとんどわからないような、あるいはとても小さい欠点にとらわれてしまい、苦痛や機能障害を引き起こす状態とされています。
「マスクをはずすと私は醜く見える」とか、「マスクをはずすと私の顔がバランスがとても悪いことが知られる(or 歪んでいる)」などの思いが強い人は、醜形恐怖の傾向を持ったマスク依存症候群と言えるかもしれませんね。
なお女性の方が陥りやすいと言われていますが、現在では男性も少なからず見かけられます。
マスク依存症候群テスト
マスク依存症候群は精神障害名としては確立していない為、定義や症状も確立はしていませんが、或る程度の尺度は考えられますので日本人向きの簡易テストを作成してみました(但し標準化は行っておりません)。
マスク依存症候群の簡易テスト
(Copyright(c)NPO日本次世代育成支援協会 不許複製)
よく当てはまる場合は3点、まあまあ当てはまる場合は2点 たまに有る場合は1点、当てはまらない場合は0点を付けてください。
1.人の視線が気になる
2.自己嫌悪に陥る時がよくある
3.マスクをしている時としていない時では、している時の方が良い顔に見えると思う
4.ゆとりがない時が多い
5.褒められたり、期待されると不安になる
6.人間関係に深入りするのが不安である
7.自己開示できない
8.失敗や恥を恐れてチャレンジできない
9.強迫的なところがある
10.自分の長所より欠点の方が気になってしまう
11.容姿について考えることが多い
12.人が自分のことをどう言っているか気になる
13.自己評価が周囲からされる評価よりもかなり低い
14.コンプレックスと、その反動のプライドがある
15.批判に対する不安が大きい
16.オール・オア・ナッシング(白か黒か)と考える傾向がある
合計が35点以上だと注意が必要となります。
マスクのメリットとデメリット
まずはマスクのメリットについてです。 これは当たり前のことなのですが、感染症対策になりますし、花粉症にも有効です。
ただ、メンタルにおいてもメリットはあるんですね。
・対人恐怖が減る
・顔を晒す場合より、強気になれる(思い切ったことができる)
・デザインによっては小顔に見えたりかわいく見えたりする
しかし同時にデメリットもあります。
・コミュニケーション(感情伝達)の不全
・覚えてもらえない(印象が薄くなる)
・自己開示の返報性の問題
・声が聴きとれずに起きるトラブル
この「声が聴きとりにくくなる」というのは、例えば会社の上司が高齢の場合はかなり大きな問題となることがあります。

当然コミュニケーションは悪くなってしまいますよね。
マスク依存症候群の対処法
マスク依存症候群の人にとって最も重要なことは、合理的な自己評価や自己肯定感を持つことです。
上記テストに当てはまることが多い人に対し、カウンセリングや自己啓発セミナーなどでよく「そのままの貴方でいいんだよ」、とか「ありのままの貴方でいいんだよ」という言葉がかけられますが、
「わかっちゃいるけどできない」
という人がとても多いんですね。
そりゃそうです。
「ありのままの自分」をいつも出している人なんて、殆どいません。
それにそもそも「ありのままの自分」を出すとろくに事にならなかったから、自分を出さない行動習慣が身についた人が多いのです。

そしてそれは認知行動療法を学ぶことで手に入れることができます。
例えば認知療法では 「マスクをはずしたらがっかりされるとは限らないのではないか」 とか 「マスクをはずしてがっかりされ、大変なことになる確率は?」 とか 「マスクをしていることのメリットとデメリットは?」 などを考えてもらうかもしれませんね。 (認知療法は下記をご参照ください。↓) https://npo-jisedai.org/ninchi.html


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愛知県一宮市で、毎月1回土曜に集中講座(12回完結)を、また日曜にベーシック集中講座を、そして毎週講座は月曜(午後)に開催中。
いつからでもご参加できます。
もちろん、マスク依存症候群に関することも詳しく理解できます。
詳しくはコチラ→ https://npo-jisedai.org/kouza.htm
また、WEBで学べる「カウンセラー養成リモート講座」を開設しました。
詳しくはコチラ→ https://npo-jisedai.org/webkouza.html
大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナー

家庭教育月刊誌「子とともに ゆう&ゆう」に掲載

名古屋テレビ「UP!」でゲーム依存について

高浜市青年会議所で研修の講師を務めました
高浜市青年会議所で「自己分析して判断力を高めよう!」をテーマにした研修の講師を務めました。第34回 子どもの健康を考えるつどい

テーマ「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」
講師 NPO日本次世代育成支援協会代表 名城大学非常勤講師 鷲津秀樹
対象 保険医協会会員の医師歯科医師 学校教諭、保育士、一般市民
愛知県小児科医会の会報に寄稿

鷲津代表の内容は「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」です。
上記以外の講演等はこちらをご覧ください。↓
https://npo-jisedai.org/kouen.html